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ジョジョ・ラビットのTERUTERUのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.8

 大人は、子どもを育てるのに役目って何だと思います?


「偉大な人物、国の為に忠義を示さすこと?」
「戦いの為に、銃やナイフの使い方を教えること?」
「ただ怯える10歳の子どもを戦場へ送り出すことなのか?」

 きっとちがう、

 親として、先に生まれてきた者として良い人間となれるように導いてあげることなのだと。


 この作品は、空想の友人アドルフの助けを借りて立派な兵士を目指す10歳の少年ジョジョが、恐ろしい悲しみな第二次世界大戦を舞台に本当の“カッコよさ”を学ぶまでの美しく幸せなコメディな物語だ。

 この作品のすべての魅力をここに残したいが、この作品を好きになりすぎてたぶん読むのを飽きてしまうだろうから、ある重要な部分だけ語ることにする。

ちなみになんの前情報なしで観たのでこの事にはあとで驚かされた。

 この作品のオープニングシーンだ。主人公「ジョジョ」ことローマン君とジョジョの空想上のアドルフ・ヒトラー演じる「タイカ・ワイティティ」、そうこの作品の監督との二人の会話から始まりそこからだ。「さぁ!物語の始まり!」そこで流れるオープニング曲だ。なんと流れたのは -The Beatles- の有名な曲、「抱きしめたい」だ。一度は聞いたことはあると思う。ポップな曲であり今回のテーマである戦争とは全く違うイメージな曲だ。だがこの曲に作品上3つの魅力がある。ドイツとThe Beatlesの関係性?この歌声、歌詞はそのままの音源?そして先ほども言ったなぜ第二次世界大戦の背景にThe Beatles?その答えは申し訳ないがパンフレットに述べてある。買うのをお勧めする。なんせ今回はインタービュー豊富なのと、名前が変わった「FOX SEARCHLIGHT」についても書いてある。FOXサーチライトはいい映画をつくる。なんせ賢い人がつくるから。

 もちろん読めばなぜThe Beatlesなのかも素晴らしいと納得できる。「ジョジョ・ラビット」の世界を不思議な奥行きとポップさで獲得させた賢い人達が制作された作品に心からこの作品を作り上げたことに感謝している。戦争の重たさはあまり感じる事が無く、スピーディに話の展開が転がっていくのに笑える場面や思わず涙を流すシーンがある。とても観やすい2020年出だしの良い作品だ。

2020/No.005
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