銀幕短評(#359)
「新聞記者」
2019年、日本。1時間53分。
総合評価 75点。
配役の勝利ですね。主役のブンヤ(新聞記者)の女の子うまいですね。官僚の男の子もいいですね。登場人物が少ないのに、力強くドラマを膨らませて 展開しています。なかなか こうはいかない。
わたしたちの憲法第 22条は、職業選択の自由を保証しています。彼女は報道者として 天下に真実を知らしめることをこころざしており、かれは公僕として 国民を守ることを固く誓っています。それらが “大義” です。
「カンパニー・メン」(#354、72点)で、どの職業でも それを愛して打ち込めば、それが自分の生きがいを生むという考えを述べました。どの職でもそうですが、大義をもつことが その大義を意識することが、仕事の大きな原動力となる。しかしいろいろな事情がからまって、その大義と正義とが抵触する局面に近づくことがある。いわゆる不正の危機です。(悪意のないかぎり)これほどつらいことはありません。
この映画のラストシーンは なかなかみごとですね。わたしの解釈はひとつで、かれら 2人が 彼らそれぞれの本分を尽くすのだろうと思います。みなさんもそう思われるでしょう?
新聞報道の映画としては、アメリカの「ペンタゴン・ペーパーズ」(#113、88点)が とてもおもしろいのですか、本作も魅力的にできていると思います。
(ラストシーンの解釈をコメントしました。)