じぇれ

轢き逃げ -最高の最悪な日-のじぇれのレビュー・感想・評価

3.0
【1アイディアで駆け抜ける情熱】

副社長令嬢との結婚式の打ち合わせに向かう途中、若い女性を轢いてしまう。同乗していた親友とともになかったことにしようとするが、2人の行動を監視する者が現れ......

逃げるという愚かな決断が招く悪夢のような日々。
水谷豊監督は、この地獄を執拗なまでに徹底的に描いていきます。
そこから渾身の1アイディアを軸に大きく転調させようとするのは、なかなかよかったのではないでしょうか。

ただ、若手俳優陣は頑張っているのですが、いかんせん役が難しすぎます。
『青春の殺人者』の主演俳優ぐらい上手くないとこなせないですよ(笑)
しかも、水谷さん・岸部一徳さん・壇ふみさんといったベテラン俳優が要所に出てきますから、若手の粗が目立ってしまって......。
水谷監督が若手俳優陣を育てようとする気持ちはひしひしと感じるのですがねぇ。

とまぁ、いささか水谷監督の情熱が空回りしているように感じてしまいました。

でもですねぇ、既存の映画文法を無視したストーリーテリングは、結構楽しかったです。
次回作は、プロの脚本家を使って、オール若手俳優でやりましょう!
じぇれ

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