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劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~のpepejaのレビュー・感想・評価

4.5
2016年年末の単発版からのファンでして
期待より不安が大きくてそれなりに厳しく見てしまうだろうと思ってた劇場版。
え?何か悪いとこあった???レベルで満足してしまった稀有な映画になりました。


いや、突っ込めば多分幾らでもあるんだ
幾らでもあるんだろうけど個人的には殆ど気にならなかった。連絡をキチンととりあいなさい!てのと、この世界には一酸化炭素はありません!くらいなもん

テレビシリーズを見てた人にはもうご褒美でしかないし、初めて劇場版で触れた人にも分かるような問題提起。辛くてシリアスで、個々人がグッと己の中と向き合うような時間。愛、家族、夢とは何か。
特に新キャラであるところの志尊氏演じるジャスと沢村氏演じる狸穴さんは、設定も良いし自然に世界観に溶け込んでるし、この映画が訴えたいポイントに見事に沿う役どころ。ジャスの切なさにはぼろ泣きした。誰もが考えるし、誰もが直面する「今日と明日」の不連続性。個人的に最大の号泣シーンになった。


そして春田と牧くん。
ドラマでは牧くんから好きになって告白し、最終的には春田からプロポーズして婚約者になった2人だけど、いつの間にか牧くんより春田の愛の方が顕著にあらわれるようになっている。何があった。
男性同士である、というところに悩みつつも、周りのサポート、特に牧くんの家族からの言葉を経て少し揺らぎつつも牧くんへの想いを深めていく春田が本当に素敵だった。強くなったなあ。
牧くんも、内側に内側に苦悩を仕舞い込む性質は治らないものの、やっぱり春田を選び続ける姿が切なくて優しい。
花火大会で浴衣着て佇むショットが恐ろしく美しいので全人類に見て欲しい。

ネタバレになるのか悩ましいとこだけど、途中から映画が変わるのはもうギャグとして受け止めたし、ゆいP演じる令嬢が余りにも良いキャラしてるし、短い香港シーンにもきちんと意味合いがあるし、サウナのシーンは笑い過ぎてお腹痛くて大変だったし、エンドロール後の衝撃シーンは劇場全体が息を飲んで見守っていたのが印象的だったし、たくさんたくさん得たものがあるのに何一つ整理できてない。悔しいからあと2回は観る所存。
単発から丸2年と8か月、連ドラから丸1年と2か月。ファンからの投資の正しい使い途を見た。

ありがとうおっさんずラブ。
君に、会えて、良かった、の言葉を、携わった全ての方々へ。
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