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グッド・ボーイズのsomaddesignのレビュー・感想・評価

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)
3.5
2020年型スタンド・バイ・ミー

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小学6年生のマックス、ルーカス、ソーの3人組からなる「ビーンバッグ・ボーイズ」。マックスは思春期を迎え、意中の女の子:ブリクスリーに夢中だが告白する勇気もない。ある日、運よくイケてるグループにパーティに誘われる。もしかするとブリクスリーとキスするチャンスかも!と期待に胸を膨らませるが、キスの仕方が分からない。オトナの世界に好奇心が止まらない3人だったが、隣人のキスを盗み見ようと飛ばしたドローンが隣人宅で墜落。実はそのドローン、マックスのパパが仕事で使う大事なドローンだった。3人組は無事にドローンを取り戻し、キスに長ける男となってブリクスリーのキスをゲットできるのか?

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やっと来れたよ、映画館。
映画館で映画見られる有難味で、今ならどんな作品見ても5億点加算して見てしまいそう。

予告編の予備知識だけで鑑賞。
予想通りに大変お下劣で楽しかった。下ネタ多いけどハラみが薄いのは子役3人の魅力に拠るところが大きいかも。
あと大人が基本いい人。
思春期の入り口にあって、子供に見られたくない・背伸びしたい気持ちを劇中の大人達がちゃんと汲み取ってて、一応尊重して扱ってくれてる。(陰でクソガキ呼ばわりしてイライラしてるけど)

純粋さゆえの無意識な行動と不純なグッズとの対比が不謹慎面白い。
自分が6年生の頃の性知識ってどんなだったか思い出しつつ見てた。
クラスの誰より知識豊富だったオクヤンが教えてくれた「女には処女膜、男には童貞線ってのがあって、初体験の時にチンチンの童貞線が切れて皮がむけて血が出てすごく痛い」て話。初めて聞いた時、あまりの恐ろしさに生涯童貞でいようと思った。


マックス達は小さな(本人達には大きな)冒険を通じて、初めて人生の新しい段階へ足を踏み出す時期にいることを知る。大人になりたい自分と、愉快な仲間たちと子供のままでいたい自分とで葛藤する物語。失くすことでしか得られない成長だったり、全てが変わっていくからこそ変わらないと信じるモノの貴重さを知る。「いろいろ失くした。大人になった」て何かの宣伝文句にもあったな。

それぞれの道が交差を過ぎて離れていくことを嘆かず、子供達の成長を促す物語だし、大人の優しい視点を促す語り口。大人が観ると子供時代の自分の恥ずかしい出来事を思い出したり、純粋無垢だった頃の自分に叱られてる気分にもなったりして。

マックス演じたジェイコブ・トレンブレイ。さすがの天才子役ぶり。往年のマコーレ・カルキンばりに泣き叫ぶばかりで、役不足な気もするけど同世代の子とノビノビ楽しく演じてて微笑ましい。
ソー役のブレイディ・ヌーン、見た目からは想像しにくい美声が素敵。ぽっちゃり体型と短髪ノースリーブが謎の女子プロ感。
ルーカス演じたキース・L・ウィリアムズは実生活でも自閉症の子供をサポートする団体の支援をしてたり、劇中と同じくSCAB方面の真面目なナイスガイに育ちそう。

主役3人の子役たちの名演にもかかわらず、あまりにお下劣すぎるのでアメリカではR指定で本人達は劇場鑑賞が叶わず(日本でもPG12)。上映前後のドタバタ含めて記憶に残りそう。

それにしてもソーのご両親の性への探究心すごすぎません?
夫婦仲いいのは結構だけど、あんなにアグレッシブに色々試すもんなんだろうか? 集めてる数と種類もすごいけど、カジュアルに子供の手の届く範囲に置いてる大らかさが凄い。最終的には家屋まで改造してるし。さすがアメリカ、エロもメジャー級。


5点中3点満点のジャンル映画(青春童貞オギオギモノ)で、期待を少し越えて楽しかったのでこの評価

28本目
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