悪魔の毒々クチビル

グッド・ボーイズの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)
4.4
ファーストキスの為に奮闘する小6の3人組のお話。


ストーリー全体を通してこの子たちの「いや俺もう大人だから、そういうのも知ってっから」的な背伸び具合が絶妙に面白く、尚且つちょっと観ていて気恥ずかしさも感じちゃって滅茶苦茶笑えました。

そして子どもが主人公の映画とは思えない量の下ネタをぶっこんでいるのが何より今作の特色ですかね。
大人の玩具をそれこそ仮面ライダーのグッズ感覚で身に付けるみたいな、明らかにアウトにも程がある描写に力を入れておりそこはまぁね、クッソ面白かったです。
途中で外れた肩を治す為に、ルーカスに例の丸いアレを咥えさせた場面はマジで手を叩きながら笑いそうになったよ。
どうでもいいけどそんなルーカス役のキース・L・ウィリアムズ君と誕生日が同じでした。

ジェイコブ・トレンブレイ君って、一昨年はプレデターのヘルメットを被って今作ではラバーマスクを被るという、そこらの子役が被れない物をどんどん被っていく中々稀有な子役ですよね。羨ましい。勿論プレデターの方が。

アメリカではR指定って事で、ジェイコブら3人は未だ完成した作品を観られていないっていうエピソードも面白いですね。
それからこういう年齢制限のある作品に未成年の役者が出演する時って、現場に保護者も同伴しなくちゃいけないんだと。
だから親が観ている前でディルドとか振り回さなくちゃいけなかったみたいなんだけど、そんな色々な意味で地獄のような撮影を乗り切った皆さんお疲れ様でした。
子役たちは基本的にはそういうグッズの使い方とかは分からんまま撮影していたそうだけど、全部じゃないにしても内心悟っていたような気もする。

因みに日本だとPG-12なんだけど、仮に10歳くらいの子が親と一緒に観て「アナ◯ビーズって何?」とか聞かれたらどう答えるのがベストなんだろね?

あと下ネタ以外のコメディ要素もちゃんと面白くて、ルーカスの両親の唐突過ぎる離婚宣言には吹き出したし、後半3人が喧嘩して別々の道で帰るも全員近所だから、最終的には皆同じ道に合流して歩いていく場面が一番笑ったかも。

最後の3人の距離感も凄く良くて、勿論親友であることに変わりは無いのだけど各々歩みたい道がハッキリしてくる事によって、今までのようにずっと一緒には居られなくなる。それでも心の距離感はそのままにしておこう、という内側の成熟を子どもらしいミニマムなスケールで描いていて個人的に結構ジーンと来ました。
ただ一歩引いて考えてみるとこの3人、このままいくと高校生くらいになってむっちゃイタい青春とか過ごしそうな気がしなくもない。