やた

天気の子のやたのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
観る前にこのインタビューを読んですごく期待して、観て「なるほど!!」って思って、観た後に読むとまた良い記事だな〜と思う。
https://news.yahoo.co.jp/feature/1389
「君の名は。」のヒットで「裁量権が広がって」これを作った、その気合いが素晴らしい!

ずっと楽しく観ながらも(陽菜がなんか、もうひと声!って感じだな〜)と思っていた。困ってる人を放って置けなくて、他人に優しくすることに遠慮がなくて、笑顔が可愛くて、家庭的で、すごく魅力的だと思うけどなんかこう、ぶわっと来るものがない。三葉や夏美にあるものがなんかない、と思っていた。
単純に好みと違うってことなんだろうけど、自己犠牲的なところも含めてちょっと理想的過ぎること、かなり序盤で清純で真っ白な存在ではないと描かれていることから、もしかするとあえて「帆高は恋に落ちる」けど「観客が恋に落ちない」ように計算して作られているのでは?と思った。
そうだとしたら、最後の帆高の選択と世界の結末がぐっと意味を増すよなぁ。

帆高や陽菜のバックグラウンドの詳細があえて描かれていないことに、不満を持つ人や共感できないと言う人がいるのはわかる。なぜ描かなかったのかその理由も↑の記事で書かれてるけど、どんなバックグラウンドを描いたとしてもどうせ「それくらいのことで」と言う人はいるだろうから、個人的には端折ってくれてよかった。
誰かにとって生きるか死ぬかの問題が、別の誰かにとっては「それくらいのこと」になる。思春期なら特にそうだし、他人とそこの価値観擦り合わせていかないといけないような、もうそんな時代じゃないってことだと自分は思った。

警察関係者の動きがちょっと仰々しい気がして冷めたのと、序盤の帆高の不憫さがしんどかったけど、凪せんぱいの存在が全てチャラにして更におつりまで来る。
何が最高って凪せんぱいは人間としてのベースが完璧なのに加えて恋愛対象としての要素も多すぎるし、そのくせ膝上丈の短パンを履いてしまうのである……

あとカナとアヤネは名前わかった時点で笑ってしまった。

新海監督が、次はどんな風に誰を怒らせようとするのか楽しみ!
やた

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