てっぺい

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【鑑賞必須の映画】
マルチバースの世界で、別の自分や別映画のあのキャラがついに登場するワクワク感で鑑賞必須。ほぼ主役となるワンダの想いが綴られるオリジナルドラマシリーズも、本作を見る上では鑑賞必須。

◆トリビア
○本作に登場するアメリカ・チャベスは、マルチバースを自由に行き来する能力を持つ、“ヤング・アベンジャーズ”の一員。ワンダの双子の子供も同様であり、“ヤング・アベンジャーズ”の実写化が噂されている。(https://www.cinematoday.jp/news/N0129858.amp.html)
○ 予告編ではワンダ・マキシモフが自身の“悪役”をほのめかす発言をするほか、ストレンジ同様に“異なる姿のワンダ”も登場する。(https://s.cinemacafe.net/article/2022/04/17/78364.html)
○前作の監督であるスコット・デリクソンが監督を務める予定だったが、“創造上の相違”の理由で降板、製作総指揮にクレジットされた。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス)
○本作を監督したサム・ライミは“トビー・マグワイア”版「スパイダーマン」シリーズを監督しており、劇伴を勤めたダニー・エルフマンの他、「スパイダーマン」にセルフオマージュを捧げているシーンが幾つもある。(https://theriver.jp/doctor-strange-mom-review/?amp)
○日本では、GWのためアメリカより公開日が2日早い。(https://dolly9.com/doctorstrange-maltiverceofmadness-koukaibi/)
○ サウジアラビアでは「LGBTQに関する」理由で上映禁止になった。登場するアメリカ・チャベスが同性愛者の設定であることが原因。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス)

◆関連作品
○「ドクター・ストレンジ」('16)
前作。天才外科医がいかにして魔術師になったかが描かれる。「ファンタビ」シリーズで新たにクリンデンバルド役となったマッツ・ミケルセンが本作のヴィランを務める。ディズニープラス配信中。
○「ワンダヴィジョン」
MCU初のオリジナルドラマシリーズ。本作にも登場するワンダ・マキシモフとヴィジョンの不思議な結婚生活が描かれる。ワンダの双子の息子も登場。ディズニープラス配信中。別途、「マーベル・スタジオ 知られざる秘密」(17.スカーレット・ウィッチ)で8分の凝縮版も。
○ 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」('22)
ドクター・ストレンジによりマルチバースの扉が開かれる。歴代スパイダーマンファンには胸熱作品。U-NEXTレンタル可。
○ 「ホワット・イフ…?」
MCUオリジナルアニメ。第4話『もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?』では、別世界のドクター・ストレンジと恋人クリスティーンの悲劇が38分で描かれる。ただし、カンバーバッチは本作の邪悪なストレンジとは別物とコメント。ディズニープラス配信中。

◆概要
「ドクター・ストレンジ」シリーズ第2作。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)第28作目。
【監督】
「スパイダーマン」シリーズ(トビー・マグワイア版)サム・ライミ
【出演】
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」ベネディクト・カンバーバッチ
「オデッセイ」ベネディクト・ウォン
「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」レイチェル・マクアダムス
「それでも世は明ける」キウェテル・イジョフォー
「ウインド・リバー」エリザベス・オルセン
「君の名前で僕を呼んで」マイケル・スタールバーグ
【公開】2022年5月4日
【上映時間】126分

◆ストーリー
マルチバースの扉を開いたことで変わりつつある世界を元に戻すため、アベンジャーズ屈指の強大な力を誇るスカーレット・ウィッチに助けを求めるストレンジ。しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類に迫っていた。その脅威の存在は、ドクター・ストレンジと全く同じ姿をした、もう一人の自分だった。


◆以下ネタバレ


◆マルチバース
NWHで開かれたマルチバースがどう絡んでくるのか注目だった本作。“自由に行き来できる”能力を持つアメリカ・チャベスが冒頭から登場、ほぼ主役だったのには驚き。ただ彼女のおかげで、様々なマルチバースのストレンジが登場、別世界の自分を操るなんて突拍子もない発想に繋がり、映画の面白さがグンとアップしていたと思う。何よりついにX-MENの教授がMCUに進出、キャプテン・カーター含め別宇宙のアベンジャーズ集結も見ものだった(あっさりいなくなったけど笑)。ポストクレジットではクレア(シャーリーズ・セロン!)も現れ、インカージョンどころか、ストレンジとの行方の方がよっぽど気になる今後のワクワク感はさすがのマーベル。ペンキの世界や二次元、色んなマルチバースの世界をチャベスとストレンジが弾丸ツアーしていくシーンもシンプルに目を見開いて見てしまった。

◆ワンダ
“夢で見た事は、別宇宙で存在する真実”、この発想も興味深い。実際に見る自分の夢の見方が変わってきそうなこの発想もさることながら、切望していた双子の子供を諦めたワンダの決断も重々しい。MCU初のドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」で、ワンダの子供への想いが渾々とつづられ、“ヴィランでもあり母でもあった”彼女にどこか感情移入してしまった本作。強力なパワーを不可抗力的に得てしまった、どこかとても人間らしい彼女に、今後幸せが訪れてほしいと願ってしまう。

◆スピンオフ
MCUオリジナルアニメ「ホワット・イフ…?」で、クリスティーンの命を救うため幾度もタイムリープを繰り返したストレンジ。目的のために如何なる手段もいとわない彼の姿は、本作でも“第3の目”やクリスティーンのセリフ「あなたは自分でメスを持たないと気が済まない」にも現れていた。この「ホワット・イフ…?」はまだしも、「ワンダヴィジョン」は未鑑賞だとだいぶ本作で置いていかれる要素。肥大化を続けるMCUの世界観、“見ていなくても楽しめる”ものから、“見ていないと分からない”にマーベルが舵を切った、本作はとてもシンボリックな作品でもあると思う。

引用元
https://eiga.com/amp/movie/95006/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
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