空海花

黒い司法 0%からの奇跡の空海花のレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.3
アメリカ南部アラバマの人種差別と冤罪を扱った作品。

とても硬派でシンプルで心にズシンと来る作品だった。
ズシンと来て涙腺が崩壊する。

「リチャード・ジュエル」もシンプルでストレートだったが、やはりエンタメ感はあったのだと感じる。イーストウッドの空気感とも言えるが。

マイケル・B・ジョーダンがエリートながらも純粋に正義を貫く姿勢に感動。
いつもムキムキ、今回もそうではあるが、
スーツをピシッと決めている姿が何とも凛々しい!しかもかわいい!
誇り高き息子のような印象。すごく良い。
そして何よりジェイミー・フォックスの演技が素晴らしい。
悪役のイメージが多いが、このプランテーション農夫の朴訥な感じのウォルターの一挙手一投足に涙してしまう。
脇を固める俳優陣の演技も良く、安定感も抜群。スタッフ・キャストが安心して作り込めたのではないかと感じた。

この前に「地獄の黙示録ファイナルカット」を観ていた為
どれも正義と言い難いものばかりカオス状態の心象に居たので
この揺さぶり目覚まし具合が痛いくらいに快感だった。

しかしあくまで真っ直ぐと根気よく正義を貫いて戦ったブライアンが素晴らしかったのであって
差別問題、冤罪・死刑などの司法問題は深く影を落とした。
やりきれないですね。

絶望しても諦めない姿勢は神々しい。感動。


2020劇場鑑賞50本目/51
空海花

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