Yuma

黒い司法 0%からの奇跡のYumaのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.7
まず、正直に申し上げる。
クリードが人生ベスト級に好きな私は、マイケルBジョーダンが一生懸命頑張ってる時点でその映画をどうしても応援してしまいます。勿論クリード贔屓ではなく彼個人が俳優としてとても魅力的でもありますが。今作でも最高でした。

という偏差を抜きにしても、これは本当に見るべき映画とはっきり言ってよろしいかと思います。
冤罪物の作品なんて、どれを見ても大抵は最低の気分になるもので、その多くから、人を貶めようと必死になる人のなんと醜いことか、という事を感じますが、今作の検察側の態度はまたそれとは違う、あくまで自分は理知的に、(明らかに無実の)被告に対して、有罪であるべきと、説く。
これの腹立つ事限りないわけです。

長年の習慣が積み重なって出来た偏見や差別は、もはや悪意ではなく、そうする事が当然と思えてしまう、寧ろ、差別しない事が間違っているとさえ思うようになるのだと、恐ろしい限りです。
反対に訴えられている側の不条理に慣れてしまった後に来る諦めの境地。
検察は被告が犯罪者かどうかは顔を見れば分かるという。そんな空いた口も塞がらなくなる様な理屈が裁判所という、神聖な場所でまかり通っているという事実。

少なくとも、自分は自分に恥じぬ様、オープンかつフェアに世の中と向き合いたいと思いました。
そして、本当に誰かを助けたいと思った時に助けられるのは、善意だけではなく、プロフェッショナルとしての力が必要なんですね。
Yuma

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