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火口のふたりのkamioriのネタバレレビュー・内容・結末

火口のふたり(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

文学にポルノが入ってるってよりは文学性の強いポルノ
モザイクの入れ方がシェイプ・オブ・ウォーターを彷彿とさせてなんか笑いました

ずっと世界の終わりみたいなムード
実体のある人が出て来ないんですよね
自衛隊の旦那にせよ、賢治の父親にせよ(折角の親子共演なのに)
潮騒のする家、亡者踊り、風車の海岸線、カラオケの路地裏
ロケーションもどことなく終末感がある

そのなかでひたすらに愛し合う
愛し合うっていうよりはもっと本能的で、暴力的な感じがする
存在証明みたいなことなんだろうか
人は死ぬんだとわかったら、最後に残るのはやっぱり性欲なのか
天童荒太さんのムーンナイト・ダイバーも震災と性欲の話だった気がする

でも震災話の入れ込み方はちょっとぎこちなかったと思う
賢治のセリフが浮いてる場面が何度もあった
製紙工場が潰れた話とか、原発が云々の話とか
急に解像度が上がって、世界の果てからこちら側に引き戻される感じがしました
そういう話をしたらいい映画ってわけではないと思う(キネ旬のトップテンはその辺が好きになれない)
寝ても覚めてもぐらい身勝手なほうが、個人的にはしっくりきます

瀧内公美さんは役の幅が広くて驚く
凪のお暇では性格の悪い先輩OLみたいなくっそトレンディな役もやってたのに
花恋も出てたのは気づかなかったな

2021年23本目
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