いつか観よう観ようと思っていた作品。直前に瀧内公美さん出演の「アンダードッグ」を観て、脚本の足立さんが本作の彼女に惚れ込んだと書かれていたので流れで鑑賞。柄本佑×瀧内公美でもうひたすらそればっかしてる超R指定映画という事前認識で観ました。が！トンデモラストで驚…そして、何故本作がこのお2人だったのか、よくわかった。松坂桃李くんの「娼年」とは明らかに違う、ということです。
脚本・監督が荒井晴彦さん。私が観た作品では「天上の花」「さよなら歌舞伎町」の脚本…なんかわかるような。(「幼な子われらに生まれ」も観ているのですが、かなり前なので記憶が曖昧です）
映像としては物凄くそっち系なんですが、扱っている内容が結構ハードというか、社会派。主演のお二人も、かなり作品選びに癖がある事務所だと思っています。私は好きです。
瀧内公美さん、私は「彼女の人生は間違いじゃない」で好きになりました。演技も、作品の内容も。本作もその系統を行っていると思います。柄本佑さんは「きみの鳥はうたえる」の感じが近いでしょうか…？(これもちょっとうろ覚えですが)。髪が短くて(ほぼ坊主？角刈り？)ビックリしました。
言葉の発し方がちょっと文学的というか、昔の人っぽい喋り方で(特に佑さん)、これは意図的なんだろうなぁ…(演出)と思ったんですが、ちょっと気になるといえば気になりました。「素敵なダイナマイトスキャンダル」って、こういう感じでしたっけ…？時代っぽい雰囲気ではありましたよね。
でも、この佑さん演じる賢治の少し特徴的な喋り方に対して、瀧内さん演じる直子は割とフランクに返すので(たまにすっごく砕けるのを入れてくる)、そのメリハリはいい感じです。
思ったほど四六時中(ではあるんですが、映像全体の占める割合的に)そういうシーンではなかった。確かに多いんですが、驚いたのは、ずっと部屋にいるのかと思いきや結構外に出る！秋田が舞台だったんですね。実はご当地ムービー感あります。観る前はてっきり東京の下町みたいなところでの話かと思っていたので、全然違っていてびっくりしました。(単に私の情報不足ではある。。)
印象的だったのは、わりと最初は奔放で、まさに何か(コピーかな？あらすじかな？)に書かれていた「一糸まとわぬ」感が強いのですが、お互いの事情が明らかになっていき、終盤のシーンでは結構見えないんです。布団にしっかり入っていたりとか。これは上手いと思った。
なんていうか、心の解放度との逆を行っているというか…
「身も心もさらけ出す」って言葉があると思うんですが、心をさらけ出せば、身をさらけ出す必要はないのかな？みたいな。
なんとなく、そういう感じがしました。
原作の白石一文さん、昔WOWOWでやっていたドラマ「私という運命について」を観たことがあるのですが、こんな感じでしたっけ…？結構面白かった記憶があるのですが、だいぶテイストが違うような。勿論、内容が全然違うというのはあると思いますが、脚本・演出でこんなにも雰囲気が変わるんだなぁ…というのをしみじみ感じました。
映画芸術第1位は荒井晴彦さんなので置いておくとして、でも…うん、逆に毎年のラインナップがわかるとは思った。なんだかんだ言って私結構好きなんですよね。
でも、キネ旬も1位なんですね！(驚)凄いな…
ほか、瀧内さんが本作で映画賞をいくつか受賞されています。
この役はめちゃくちゃ合ってますよね…！
個人的な趣味かもですが、こういう役はこういうボディの方にやって欲しいという、そのままの肉体だった(すみません。私女性なのに…)
かなり全裸が映るので、お腹(下腹部)のあたりもはっきりと映っていて、肉付きというか、変にモデルさんみたいにしっかり締まりすぎておらず、その年頃のリアルな女性の身体感があって、とてもよかった。
瀧内公美さんはほんといい女優さんです。好き。
