たつかわ

12か月の未来図のたつかわのレビュー・感想・評価

12か月の未来図(2017年製作の映画)
4.2

生徒と同じ目線に立つ

フランスの名門高校で国語を教えるベテラン教師。とは言え、生徒にブラックジョークを言いながら答案を返す最悪の教師。教育関係のパーティで若い女性から「地方の学力低下」について問われ、「ベテラン教師を派遣すれば問題は解決する」の偉そうに話すと、あれよあれよと自身が異動することになる。

本作は生徒はもちろん、この教師の成長物語だと思っている。数多の失敗は人を無気力にさせることを気づいた教師が考えた秘策は、若い他の先生から避難轟轟ではあるが、何もしない他の先生より遥かにいい(しかも諦めている)。また、この中学校がもしかしたら20年後、30年後の日本の学校に環境が近いものになっているかもしれないので、若い先生は観ておいて損はない。

監督はフォトジャーナリスト出身。そのためなのか、後半の遠足に行くシーンはドキュメンタリーぽくて、劇映画を見ている感覚が全くなく、1クラスの引率の先生と生徒たちを横で見ているようだ。全体的に散りばめられたさり気ないコミカルさも本作の魅力。

12か月がたって生徒の「寂しい」という言葉にグッときた。

おススメです。
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