ぴよぴよ

クーリエ:最高機密の運び屋のぴよぴよのレビュー・感想・評価

4.2
珍しく一緒に観る約束をしてた友達の都合で007が先延ばしになり、興味を惹かれてた別のスパイ映画をひとり観る事に。

でも…スパイはスパイでもこちらは実話ベース…観終わった後の重さがハンパない。


平凡なセールスマンウィン=ベネディクトカンバーバッチは、イギリス諜報局からその平凡さ故に目を付けられ、事の詳細は知らされないまま、セールスの名目でソ連に入国する🇬🇧

時は東西冷戦の真っ只中。戦争へ一触即発の状況を回避する為、米露英が水面下で暗躍する。

ソ連の政治の中枢部で重責を担うベンコフスキー=メラーブニニッゼは、そんな冷戦状態を憂いて、西側に情報を提供する。

情報はビジネスを装い平凡なセールスマンウィンへともたらされ、ウィンはその情報をイギリス諜報部へ届ける。

何度かお互いの国を行き来するうち、ウィンとベンコフスキーは親しくなり、信頼関係を構築するようになる。

そして1962年のキューバ危機…ソ連がキューバに設置した核ミサイル基地の有無を巡って、ベンコフスキーは重要な情報をウインに託す。

それによって世界の危機は回避されたものの、ソ連当局のベンコフスキーへの疑惑が深まり、彼と彼を亡命させようとするウィンの元へKGBの魔の手が迫る。

ごく普通のセールスマンだった男がスパイとなり、危機に瀕する窮状を、カンバーバッチが渾身の演技で描き出す。後半の変貌ぶりは凄まじい。

ベンコフスキーと2人並んでバレエを鑑賞するシーンの感情の高まり!壮大な「白鳥の湖」の音楽と共に胸に迫ってくる。

派手な撃ち合いもアクションもないけれど、リアルな実話の緊迫感に手に汗握る💦

ウィンとベンコフスキーは、007以上の本当の意味で世界を救ったスパイだと言える。2人の友情にも涙😭
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