叡福寺清子

盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~の叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

盲目のピアニストであるアーカーシュさん.ふとした事で知り合ったソフィさんのご実家のレストランでピアノ演奏のアルバイトすることに.さらにはそのレストランで知り合った往年の映画スターであるプラモード・シンハさんに気に入られ,ご自宅でのプライベートコンサートを依頼されます.近々ロンドンで開催されるコンテストの遠征資金に助かると赴きますが,そのお宅にシンハさんの遺体があったから,さぁ大変.実はアーカーシャさんの盲目は偽装だったのです・・・

ピアニストやら往年の映画スターやらのおかげで,いつも以上に歌の賑やかしが挿入される本作.これカットしてくれたら100分くらいのスッキリした作品になったと思うのですが,ボリウッドファンからは「そこカットしたらインド映画じゃないだろ!」って,お叱りを受けるのでございましょうね.
でも後半から「お金ほしー,善人?何それー,美味しいのー??」展開になって,私好みの風味に変化します.これが巷でよく聞く味変ってヤツですか.なるほど!その頃には冒頭のキャベツ畑をお忘れになられているかもしれませんが,ちゃんと回収されますからご安心下さい.

でその後半.一言で申すなら因果応報.偽装盲目だったアーカーシャさんは,悪女シミーさんの奸計で実際に盲目になるし,そのアーカーシャを臓器提供源に企んだ青年はその後亡くなって自身が臓器提供するような立場になるし,でまことに教訓めいた出来事が次々と発生します.しかも,結構人が死ぬ.やはり映画は人が死んでからが勝負.
偽装障害者といえば,フランスのウンコ作品「パリ、嘘つきな恋」を連想しますが,本作においてはポリコレ臭が一切致しませんので,安心安全犬印妊婦帯でございましたからの,こんばんわ三遊亭呼延灼です.盲目者が特別視されずに,頼まれたら(中には面倒くさそうな人もいましたが),普通に介助する理想な生活が描かれていて,少なくともフランスよか好感を持てましたよ,あたしゃ.