ピッツア橋本

ボーダー 二つの世界のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
4.5
"想像して欲しい。もしムーミン谷をおわれたムーミンが現代社会に迷い込んできたら、果たして我々は彼らの存在を快く受け入れられるだろうか?"

ネタバレ一切せずにこの映画のレヴューって何を書けば良いんだ!?
と苦心して思いついたのが上記のコピーです。

顔はグロテスクだけど、異常嗅覚によって危険不審人物を嗅ぎ分けることのできる超敏腕の検査官を務める女性。

ある日、普段通り検査していると、とある超怪しい男性への検査をミスしてしまう。
それから何回か彼と会ううちに、シンパシーを感じ始め仲良くなる。するとずっと疑問だった自分の出生に関する手掛かりをどうやら彼が知っているらしい…

という異形のミステリーサスペンスの切り口から始まる本作なのではあるが…この出生の秘密が明かされてから新世界へと加速突入していく。

ダークファンタジー。
それが一番近いカテゴライズではあるのだけれど、内包されている要素が余りに雑多すぎて解析不能。
この邦題はかなり的を得ていて、生と死、理性と本能、人間と動物…結局それらの境界線ボーダーラインとは?って言いたくなる。

正直、見終わった後かなり気持ち悪くなったし、終始開いた口が塞がらなかった。

不快な描写もたくさんあったけれども、
主人公があまりに優し過ぎて本作を嫌いになりきれない!

最も異形にして最大の良心を持ち合わせているこの生き物を誰が責められようか!!

今まで感じた事のない映画世界を魅せてくれた本作に敬意を評します。
ただし、二度と見ない!苦笑
ピッツア橋本

ピッツア橋本