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レオンのikumuraのレビュー・感想・評価

レオン(1994年製作の映画)
3.3
【根無し草の愛】
名作とは聞いていたものの、なんと初鑑賞。
近所のインディー系映画館の「94年特集」の一環、
劇場で見られることもなかなかないかな、と思い。

冒頭の、レオン職務遂行シーンから縮み上がる。
ビビリな僕は、「トイレ行っといてよかった・・・」と(笑)

で、え、ミルク・・・?
ジャンレノさんそんな渋い顔してミルク美味しそうに飲むの?
ご近所さんのナタリーポートマン演じるマチルダにもバレている。

マチルダは父に暴力を受け、家庭に居場所がない。
唯一可愛がっているのはまだぬいぐるみのような弟。
「あのとき」が来る前に、すでにレオンに救いのようなものを見出していたのか。
思いつきで行動してるように見えて、
ある意味直感があたる、ある意味運もいい、
そんなマチルダのキャラクターを120%表現している、
これが彼女のデビュー作とは恐ろしい。。

ロリコン要素については若干引いたものの(点数もその点に関して控えめ(笑))、
レオンが純粋無垢で性的な意味ではマチルダになびかないところは良かった。
(監督がペドファイルと聞いて、うーんやっぱり、、とは思うものの)
自分の弱さを、勝気だけど肉体的に未成熟な女性を支配することで覆う、
みたいなことではない。
むしろなんならジャンレノが可愛い(笑)
一人で生き抜く強さはあるのに、
愛を知ってしまったがために・・・
というのは、かなりクリシェではあるものの、
身寄りのないイタリア系移民という設定、そしてニューヨークという街そのものがもつリアリティに支えられている。

あとは、悪役のゲイリーオールドマンの怪演!(笑)
イタリア系マフィアの元締め、トニーの役どころも一筋縄でいかず面白い。

全体として、これはやはり一度は見ておくべき映画なのだなと納得しました。僕もミルク買って帰ります!
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