このレビューはネタバレを含みます
他の方も仰っているが、やはり印象的なのは公園でお弁当を食べるシーン。「坂の上の人」というように「表の世界の人」は差別的な発言をするが、このシーンの4人はごく普通の当たり前に有り触れた姿をしており、上も下も表も裏もない事が心に残った。
チュウさんを見送る時に男性看護師が「人を支えられる立場じゃない」と言ったが、立場云々ではなく、他人がいるから生きる希望が持てる、お母さんという存在がチョウさんの退院そして生きる理由なんだと思った。
それと同様、由紀が看護見習いになっていたことも誰かのために生きていく覚悟が見え、
そして生きる意味を見失っていた秀丸もチュウさんと由紀の存在が「生きたい」と強く思える原動力になっており、最後の立とうとするシーンに繋がるのだと考えた。
綾野剛の、優しい口調と不安そうな目と発作の演技。全てに引き込まれた。
主要キャストはもちろんだが、病人役の皆さんは相当難しい役作りだったと思う。精神病棟のリアルを見せて下さったことに感謝。