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メトロポリスのkyokoのレビュー・感想・評価

メトロポリス(1927年製作の映画)
4.5
「ドクトル・マブゼ」や「ニーベルンゲン」といった初期の有名作は観たことがない私にとって、これまで観たラングの中ではいちばん古い作品となる(ハルボウ作品としては「M」に続いて2作目)。
なぜか断片的には記憶があるのでなんとなく観た気になっていたけれど、ストーリーを全く覚えていない。
やっぱり初見だった。
そうだよね、こんな面白いもの忘れるはずがない。

1926年が想像した2026年。
摩天楼の空中回廊、テレビ電話、飛行機(さすがにプロペラ)、美しい造形を持つアンドロイド。
ロトワング博士(完全にドク)による、それいったいどんな仕組みなんだよう的な装置を筆頭に、SF的小道具がいちいち楽しい。
”Yoshiwara”でのお坊ちゃま衆や娼婦、逃げまどう子どもたち、理性を失った労働者集団……とにかく群衆描写がド迫力。バベルの塔の特殊撮影にも驚いた。
wikiによると「主演俳優の他に端役は750人、エキストラの男性は25,000人、女性11,000人、子供750人、黒人100人、中国人25人」らしい。若干眉唾だけどありえるかも。

SF、階級闘争、恋愛譚。
最後までハラハラしたストーリーの終わりは案外に平和的だった。
個人的には邪悪なほほえみと妖艶さを持ったニセマリアがいちばん好き。ダンス最高だったなー。

ついでに私の記憶の出所も判明した。
84年ジョルジオ・モロダー版のサントラに入っていた、フレディ・マーキュリーの「Love Kills」。このPVが映画縮小版といった感じで、主要なシーンががっつり入ってたのね。
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