メトロポリスの作品情報・感想・評価

「メトロポリス」に投稿された感想・評価

本当に1927年の映画なのかと思うくらいSFイメージが素晴らしい! とくに未来都市と女性型アンドロイドのセンスは抜きんでている(ただし、アンドロイドはほとんど動かない。当時の技術ではあのデザインで動き回る着ぐるみを作るのは無理?)。
またそれを具現化した数々の映像が素晴らしい。wikiによると「主演俳優の他に端役は750人、エキストラの男性は25,000人、女性11,000人、子供750人、黒人100人、中国人25人、支払った報酬は当時の金額で160万マルクである。また、衣装代が200万マルク、靴3500足、カツラ75個、特注の自動車50台、映画の為に使ったフィルムは62万メートル」だそうだ。膨大な金と人を使っただけあって見応え充分。マリアの姿をアンドロイドにコピーするシーンは当時としては一番の見どころと言ってもいいだろう。

ヒロイン、ブリギッテ・ヘルムのマリアと偽マリアの演じ分けも面白い。左目を細め、嬉々とした顔で労働者たちを煽動していく偽マリアはノリノリでひたすら痛快だ。

脚本も「脳と手の媒介者は、心でなくてはならない」のセリフに象徴されるように、階級社会に虐げられる労働者たちの苦悩と解放を見事に描き切っている。あらゆる面で後の多くの映画に影響を与えた傑作SF映画だ(でも長いので3.8点)。
ゆこ

ゆこの感想・評価

3.4
圧倒的な人海戦術!
夢とロマンが目一杯詰め込まれてて、THE SF映画感が気持ち良い
ストーリーは現代の私達から見れば凡庸だが、それだけ他作品に影響を与え使い古されてきた初期SF映画の傑作の貫禄ともいうべきか

OPのタイトルバックが超かっこいい
支配的権力者のフェーダーセンがバリバリのゲルマン系で痺れる
No.30[ボンボンが階級闘争に目覚める、ハルボウ時代のフリッツ・ラング] 89点

紀伊國屋CEのラングは全部見たと勘違いしていたが、BDで所持している本作品を忘れていた。"2008年にアルゼンチンで発見された完全版"という謳い文句からサイレント映画好きを最高に踊らせてくる本作品は、ハルボウ時代のラングの中で最も有名だと思う。

本作品でもいつも通りセットや効果(心臓機械、上層部の街並み、クローン製造風景など)がギラついていて、思わず"あぁハルボウ時代"と呟いてしまうほどイカしてた。個人的にはクライン=ロッゲありきの「ドクトル・マブゼ」やクソ長いゲルマン伝説「ニーベルンゲン」の方が好きだが、本作品も非常に楽しめた。特にロートヴァングがマリアを洞窟で追いかけ回すシーンの光の使い方は狂ってる。

ただ、物語が"階級闘争に目覚めるボンボン"という超"赤い"話だから、ハルボウの頭も壊れ始めてたのかと心配になってくる。エイゼンシュテインでも見ちゃったんだろうか。いや、これを残して「ニーベルンゲン」とか「月世界の女」とか先に見てる私のほうが心配だわ。
しゅう

しゅうの感想・評価

3.7
「フリッツ・ラング監督特集」にて無声白黒字幕版を鑑賞。

一本立て興行になって初めてのシネマヴェーラ。30分前に着くと既に階段に長蛇の列で、入りきれないのではと少々焦った。

今回は148分の復元版という事だが、正直前半は非常に冗長。

無声映画故の説明的な繰り返し表現が必要なのは分かるが、トーキー時代のラング映画の素晴らしい切れ味を知っているだけに、若しかしたら(未見の)四分の一ぶった切ったという編集版の方が映画としては面白いんじゃないかなどと思ったり。

だが、その分アンドロイドマリアが登場してからの怒濤の展開には大いに満足させられた。

そもそも無声映画に於いては、淑やかな聖女マリアよりも全身を狂躁的に躍らせて上流階級を煽情し、地下労働者達を煽動するアンドロイドマリアの方がずっと魅力的なのは自明の理。

ラングお得意の群集心理で狂奔した人々がアンドロイドマリアを火刑に処するリンチシーンや、大量の水を使ったディザスタームービーとしてのスペクタクルも見事。
「世界から猫が消えたなら」で佐藤健と宮﨑あおいが偶然出会うきっかけになった映画。これで観てみたいとずっと思ってた。

今朝はお盆期間でも通勤電車が空いていて、毎日こんなんだったらいいのにと考えたが、一方でこれでは経済が成り立たない?ってどうよ!とも思った。

こんな過密地帯に好むと好まざると人が集まってくる。そしてそこでは富裕層と貧困層はますます二極化されていっている。

そんなことを思っていた日にちょうどいいタイミングで観ることができた!「メトロポリス」。
マツダ

マツダの感想・評価

5.0
素晴らしすぎ、どえらい傑作
労働者の行進と死と蜂起、上流階級のパーティ、洪水、(落ちたら死ぬ)高い所でのバトルなどSFのすべてがこれに詰まってる
やっぱ一つのシーンに大多数の人間が映ってるのは観てて気持ち良い
Akiramovie

Akiramovieの感想・評価

4.0
大きな映画館で 復刻版で 観ました。
異常なまでの 名作ですよ感 の記憶が。

SF感の レトロさも 印象的。
shibamike

shibamikeの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

今回のフリッツ・チン…ラング監督特集で初めて自分はフリチン…フリラン監督の作品を見た。しかし、フリチン…フリラン監督の名前を知らない頃から、本作「メトロポリス」の名前だけはちょくちょく耳にする機会があり、「一体どんな映画なのだろう…」とまだ見ぬ映画に期待で、胸と鼻の穴とついでに股間を膨らませていた。本作を観ることがフリチン…フリラン監督特集の大目的であり、ようやく見終えた今、フリチン…フリラン監督特集も山場を越えた感があり、夢のような日々の終焉が寂しいような、連日の映画鑑賞料金出費地獄がようやく終わるという安堵感など、感情が万華鏡のようにコロコロ。

前評判通りの大作であった。サイレント映画の頃から既に、「少数の資本家が大衆を搾取する未来の世界はろくなもんちゃいまっせ!気をつけなはれや!」と考えていたフリチン…フリラン監督。これはフリチン…フリラン監督が未来を悲観していたというより、人類の歴史はもうずっとそういうものなのだろう。科学や技術が発展した未来でも同じようなことがあるはずだと思うのは自然なこと。
が、それにしても大衆の反乱や身勝手さ、マッドサイエンティストの狂気、魔女狩り、ノアの方舟のような大洪水。ありったけのエンターテイメントがスクリーンに繰り広げられ、お腹一杯。ゲップ。
映画史的には文句無しの満点作品なのであろうが、未熟な自分は途中REM睡眠モードに入った事実もあり、満点にする資格無し!という次第です。自分の不徳の致す所!



フリチン…フリラン監督が考える未来の世界。地上では支配者階級が優雅に暮らし、被支配者階級は地底の暗い中、ひたすら労働。この地上と地底の住み分けはH.G.ウェルズのSF小説「タイムマシン」(1895)でも使われている。
現代においても、金持ちは月島や武蔵小杉などのタワマンに住み、自分のような低所得奴隷労働者は、地底でこそないものの、低層階賃貸に住みつき、低価格の食品や家具に囲まれている。

物語の始まり。メトロポリス支配者のどら息子が地上で酒池肉林してヘラヘラしていた所、大勢の地底の小汚ない子どもを引率してひょっこり現れた地底の美女マリアをたまたま目撃して、マリアに一目惚れのどら息子。笑ったのが、マリアの脇腹の結構セクシャル的に際どい所をクソガキが撫でまくっていたところ。
マリアを追いかけてどら息子は地底に行くのだが、過酷な労働の実状を見て「わ、ワイは間違っとった!彼らとワイはおんなじ人間やないか!」と天命に打たれたように開眼することで、話が転がりだす。過酷な労働に従事する労働者達は決まった作業・動作を均一な間隔でひたすら繰り返し、人間の部品感がよく伝わってきた。
とりあえずどら息子が経験する労働の1つ、どでかい時計の針みたいなもの2本を急いで光ったランプの位置に合わせる作業、意味不明過ぎて嬉しくなって震えた!激しくやりたかった。

既に登場したが、物語のキーを握る絶世の美女「マリア」。この美女畜生は美しいルックスで労働にくたびれた野郎どもを癒すだけにとどまらず、精神も高潔ときており、地底の男どもはマリアにゾッコンラブ注入。ドドスコスコスコ。地底に女性アイドル人気投票総選挙みたいなイベントがあったら、マリアはぶっちぎりで優勝するはず。握手のしすぎで利き手の指紋が消えるレベル。

正直、REM睡眠モードのせいでよく分からなかったのだが、この後に何かマッドサイエンティストがマリアに瓜二つのロボットをこしらえる。このロボットマリアは極悪中の極悪で殺人、強盗、恐喝、窃盗、詐欺、婦女暴行、密輸、誘拐、放火…以外の犯罪までも本当にやりかねない逆小籔の極悪マシン。ガクブル!

極悪マリアが実際にした悪いことは、地底の労働者達を煽るだけ煽り、地底の機械や設備をとにかく破壊させる(この理由がよくわからなかった。マッドサイエンティストの復讐?)。極悪マリアに煽られた地底の労働者達は完全に興奮状態で理性を失っており、集団暴走パネェ感がスクリーンにみなぎる。

機械や設備を労働者達が破壊し尽くした後、労働者達は手と手を取り合ってでっかい輪を作り、高速でマイムマイムみたいなダンス(違うか)をおっ始める。ここも最高!僕も混ぜて!

地底には労働者達の家族も住んでいるのだが、地底の機械が破壊され尽くしたせいで、地下の貯水タンクも破裂し、労働者達の子どもに洪水の危険が迫る。ドラ息子と天使マリアの活躍で子ども達は難を逃れるが、高速マイムマイムから我に帰った労働者達(=子ども達の両親)が「俺らの子ども、洪水で危ないんとちゃうんかぁあ!」と集団発狂。
観客全員が「いや、自業自得やろ」のツッコミを入れたと思う。

地底の機械を破壊し尽くした後、極悪マリアは地上へ行き、伝説の淫魔として、今度は地上の金持ち紳士達をお色気でたぶらかす。このたぶらかし方であるが、妖艶なダンスで…いや、あれはダンスと言って良いのであろうか。文章で説明困難な動きで地上の男達を激しく欲情させる(現代の我々が見ても吹き出すだけなので、ご家族で安心してご覧頂けます)。
ちなみに極悪マリアのルックスは天使マリアの目元をアイラインで激しく濃くした感じで、清楚系よりもケバい系が好きな自分としては極悪マリア推しである。極悪マリアはここぞというときにウィンクをするのだが、イカシテいたぜ。

極悪マリアの誘惑により地上では飲めや騒げやのバカ騒ぎが始まってしまう。地底では大切な機械が破壊され、地上では大切な規律が破壊される。地上のバカ騒ぎはさながらバブル期の東京を思わせた。自分はバブル期が憎いし、嫌い。

天使マリアと極悪マリアが同居するシーンは無かった。技術的な問題であろうか。極悪マリアは魔女狩りのごとく火炙りで絶命する。殺されるというのに、ずっと大笑いしていたのが、ちょっとカッコ良かった。


「心が我らの頭脳と手を結びつけてくれますように!」

今日は東京メトロで帰って、晩御飯はナポリタン。ドドスコスコスコ、ラブ注入!
鎌田

鎌田の感想・評価

4.4
軽妙洒脱なピアノに乗せて描かれる恐ろしい世界。「あなたはマリアでない」と言われた時のブリギッテ・ヘルムの表情がすごく良かった。ラストがちょっとヌルい気もするが。
脚本も演出も美術もすご過ぎて、なんか狂ってるようなレベル。人間にこんな想像力があるのかと驚き、ただ圧倒される。クライマックスの群衆のシーン、あんなに続くとは…。ジョルジオ・モロダーが音楽やったバージョンも見たい。

「フリッツ・ラング監督特集」@シネマヴェーラ渋谷
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