"システムクラッシャー"として扱われる子供は確かにいるが、当人に非が無くその責任が社会や環境にあるとしても、周囲の人間は忌避せざるを得ない……というのがあまりにキツい。月並みの「寛容」だけではどうにもならない、多様性を認める事は出来ても推進する事がいかに難しい事か、身を持って感じさせられた。
ドキュメンタリーのようなハンディ撮影がリアリティを増しているが、その中に劇映画らしい演出を織り交ぜているのが映画作品として巧いな。当時10代前半のヘレナ・ツェンゲルがこの役を演じ切っているのが信じ難いくらい素晴らしく、ここまで張り切って大丈夫だったのかと心配になってしまった……。