アラバン

ワン・セカンド 永遠の24フレームのアラバンのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

親をなくした女の子と娘を失った男が、最悪の出会いから徐々に心を通わせていく。
小汚くて冴えない男と、薄汚れたガキみたいな格好をした女の子という、いわば弱者のハートウォーミングストーリー。

また、「映画」がもう一つの柱で、1975年当時の中国の小さな村では映画がいかに別格の娯楽であったかがたっぷり描かれている。

配達人がバイクでフィルムを隣の村に運び、それが届くのをみんなで心待ちにして、映画上映前にはライブのような雰囲気で興奮と熱気がみなぎっている。劇場は立錐の余地もない超満員。
そんな映画へのケタ外れの熱量とワクワク感を追体験できる感じが、上映前のドタバタトラブルも相まって、ノスタルジックで楽しい。



フィルムが探せないことを悟って吹っ切れたかのような表情を浮かべるラストも良かった。
上映されていた映画のエンディングが、彼らの今後を示唆していたような気がしないでもなく、
まさしく「何かを手放さないと新しいものは掴めない」だ。


このオッサンは娘に二度と会えない事情があるように思えたが、フィルム映像を見てからののめり込み様からすると、ひょっとして娘は死んだのでは?それも過酷な労働が原因で、、
これほど娘を愛する男が、本人に会いに行こうとする気配が全くないのはやはりそういうことなのかも。というか、勝手にそういうことにしてしまおう。、、。(テキトー)
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