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赤い闇 スターリンの冷たい大地でのyuuuumiのレビュー・感想・評価

4.3
イギリス人ジャーナリストガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は世界恐慌の中、唯一繁栄しているソビエト連邦に疑問を持ち、ウクライナで想像を絶する光景を目の当たりにするが…。

友人が亡くなったことから真実を知るために行動する主人公。
尾行や盗聴が当たり前の時代。取材することは命懸け。

1933年という時代、旧ソ連の統治下にあったウクライナでは『ホロドモール』という歴史的な大飢饉が起こった時代。ソ連のスターリンによって計画されたと言われていて、ナチス・ドイツが行ったユダヤ人に対するホロコーストと並んで、20世紀最大の悲劇の一つを描いた物語です。

後半のウクライナでの映像はモノクロになり、雪に覆われた街の風景が、寒さや餓えが、より強調されたように感じました。
こんなことが現実に起こっていたとは悲しいし恐ろしい。
固そうな何かを食べていて(後にわかるのですが樹皮だそうです)、謎の肉まで(これも後に分かります)…。

記者として真実を世の中に伝える義務や葛藤、公表してはならない重圧など、とても胸に迫ってくる作品。
伝えるだけではなく、知ることも義務であると感じました。
とても重い作品でしたが、こういった歴史を知ることができ、知らないことの怖さも感じました。
恐ろしい歴史があって今があるんだなと、とても観る価値のある作品だと感じました。
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