12秒間の地球規模の停電で「ビートルズ」が存在しない世界になっていた。ビートルズへのリスペクトは感じる。
ただ一人ビートルズの記憶がある主人公のジャックは自作と偽り有名になっていくが、だんだん疚しくなっていく。そんな時男女一人ずつ覚えている人が現れ、非難されるかと思いきや、彼らはビートルズの歌の無い世界でとてもさみしい思いをしていた、歌ってくれてありがとう、どんどん歌ってくれ、ただし正しくね、と言われる。
中盤、その二人から渡されたジョン・レノンの住む場所。「ビートルズ」が存在しないからレノンは生きているのだ。・・これがあまりにソックリさんで、ゾクっとする。78歳のレノンと会話を楽しみ、ある決心をしてジャックはステージに立つ・・・
ビートルズが存在しない世界がおもしろい。ペプシはあってもコカコーラは無い。ジャックがPCで検索すると、ローリング・ストーンズは存在。オアシスは無し。「2番手は存在するのか」というセリフがきついなあ。じゃあブラーは存在か?出なかったけど。ハリーポッターも存在しない。
ジャックはステージでビートルズの歌を歌うのだが、実際にジャック役のヒメーシュ・パテルが歌っているという。これが、ギターの弾き語り的でオリジナルの雰囲気を損なわず、ジャック的ビートルズの歌になっていて、とてもいい。うまい。
ビートルズは昔夢中になったので、映画の中の小ネタとかとても楽しめたが、エド・シーランはもう範疇外の若い人なので、そこはきっと小ネタがあるのだろうが分からなかった。
監督のダニー・ボイルはなんと同学年だ。「トレインスポッティング」の監督だった。「警部モース」も2話監督していた。あのロック色豊かなロンドンオリンピック開会式の総合演出もボイル監督。
2019イギリス
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