次男

イエスタデイの次男のレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.9
僕の胸を抉ることもなく、名前のつけがたい感情が沸くこともなく、こんな言い方をするとあれだけど、もしかしたらもう一度観ることはない映画。でもすごくすごく楽しかった2時間を過ごさせてくれた!

「全世界が10数秒停電になったら、Beatles(など)が存在していない世界になっていた!」

って、ばかみたいにキャッチーで、ばかみたいにばかな設定。なんやそれははは!って気が抜けて、そのまま、気が抜けたまま観させてくれるのよね。夢も恋も、それくらいの温度感、語り口。

でも、これぐらいにして欲しい日もあるんだよなー。これぐらいにして欲しい日、なんて、我ながら言い得て妙だな。なんて自画自賛。

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ダニー・ボイルだってクレジットされてなかったらとてもわからないかもしれないーー場所が変わるときのテロップの出し方とかはイズムを感じるスタイリッシュだけどそれ以外はーーくらいに、キュートすぎる!

うん、すごくキュートだった。ヒリヒリぜんぜんない。苦難もステップアップも、リリー・ジェームズはぶっちぎりにキュートで、エド・シーランもキュート。女マネージャーも、昔のディズニーの悪役魔女みたいにわかりやすくてキュート!

音楽×キュートってかなり気持ちがいい。「はじまりのうた」とかも、音楽×キュートだったな。「ゴッドヘルプザガール」も!ニヤニヤする。他なにがあったっけ。キュートがゲシュタルト崩壊してきた。



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ネタバレ
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線路沿いのスタジオでのレコーディング、エドvsジャックの即興対決、最高戦略会議、あとは、リバプールでのエリーとの夜のデート。好きなシーン。

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話は、結局なにを語られてたのか判然としない感じ。楽しかったけど、なんの話?ってなっちゃう、スカスカ感、は否めない。

・Beatlesの曲を歌ってたことの意味
「天才だと偽ってBeatlesを歌うこと」の対義って設定されてたかな。ジョンと出会って「嘘をつかないこと」を解かれてたけど、「嘘をつかないこと」が彼の中のテーマとかでもないしなあ。(丁寧な前振りで言うなら、「どれだけ売れなくても自分の音楽に嘘をつきたくない」とか言ってたら、すこし対立構造作れると思うのだけど、それもなかったし) 結局、ラストで彼が選んだのも、Beatlesを歌い続けることだったし、そういうことがなにを示唆してるのかよくわからん。「何か言ってるぽくて何も言ってない」と思ってしまう!

・ラブ線のこと
エリーが可愛いから見られたけど、ラストライブでスピーチした「ふたつのこと」、盗作と並列でエリーへの気持ちをあげてたけど、ああやって取り上げれるほどドラマしてないよね。そもそも、エリーがあれだけ気持ちを伝えてて(二度も!)ジャックなにもできてなかったんだから、ジャックのスタンスよくわかんないのよね。彼氏いるって知ってて、しかも現場にいるって知っててあれ言うなんて、ちょっとなんか嫌なやつだよね。とか含めて、ちょっととってつけた感じするね。

…でも別に↑こんなんどうだっていいけどね。キュートで楽しかったから!

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Beatles、僕数枚しか聴いてないなあ。がっつり聴いてみよう!と何度も思って何度も頓挫してるなあ。今度こそ!
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