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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのcomaのレビュー・感想・評価

3.5
6歳児(女)涙腺崩壊。場内から咽び泣く声多数。いやぁいいものですね。名前も顔も知らない他人と感情を共有できるのが映画館の素敵なところ。
我が子に教えてくれてありがとう、ありがとう…すみっコ…

すみっコぐらし旋風が吹き荒れ、漏れなく娘も夢中になり、事あるごとにグッズを購入する羽目になっているのであまりいい印象はなかったのですよ。確かにキャラもグッズも可愛いんだけどね。
それが映画化するときた。その必要性は?また子育て世代の生活費搾取かよ~なんて思っていたんですけどね。綺麗にまとまっていました。素晴らしい!

すみっコぐらしのキャラクター設定からきちんと紹介があるので、疎い方でも安心して物語に入れる親切設計でした。
思っていたよりも各キャラの闇が深そうでビックリした。北極の寒さに耐えきれずたった1匹、風呂敷下げて逃げてきたしろくま。恐竜の生き残りという事実を仲間にも秘密にして、とかげとして生きることを決めた「とかげ」…うっ、可愛いじゃないか。いじらしいじゃないか。
絵本の中に入り、有名な物語の世界の中に入っていく…というのも非常にわかりやすい。ページを引っ掻いて破いたら違う物語に突入したり、動かせば何かが起こる仕掛け絵本のギミックもドキドキ可愛らしくてね~こういうの子供は好きよね!

すみっコの台詞は「だいじょうぶ?」などひらがな表記で、頭の上に文字が浮かぶ。あとはナレーションが全ての状況説明やらツッコミやらを担当する。

基本的に隅っこを愛するキャラばかり。目立ってやろう、活躍してやろうという気概もない彼らを無理やりに桃太郎やシンドバッドに仕立て上げることである程度物語に起伏が生まれるんですが、基本的にのんびり穏やかな優しい世界観。派手な展開なんて必要ないし、そもそもすみっコぐらしの世界観にそぐわない。
世界のすみっこから、同じようにすみっこを愛する仲間へ愛を叫ぶ物語だったなぁ。お子様に是非おすすめです。
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