以前新宿ケイズシネマの予告篇を観てちょっと気になったんで鑑賞。
なかなか良かったわ。女子大生3人の一泊の小旅行の話やねんけど、1日という短い時間の中で3人の間に生じる微妙な心の動きやズレ、関係性の変化がそこそこしっかりと描けてたんとちゃうかな。別に大した事件やドラマティックなことがある訳やないけど、人間の間に生じるちょっとしたもつれが、それもやじろべえみたいにあっちに傾いたり、こっちに傾いたりみたいになもんが、観てるもんには何ともスリリングや。最後どっちに転ぶんやろな?と思てハラハラ、ドキドキしてもたわ。
女子三人のキャラの違いがちゃんと際立ってたんも良かったし、三人のキャスティングもしっくりきてたんとちゃうかな。演技も自然で違和感あれへんかったし。韓国人カップルも中々ええ味出してたな。
それと、この映画なんかに似てるなと思て観てたら、途中で思い出したわ。これ完全に「ホン・サンス」やんか!プロットの組み立て方やら、演出やら、画面の色合い、セリフそのものもそれっぽいし、セリフの間合いなんかもそうやし、浜辺もそうやしな。音楽の当て方なんかほんまそのままやで。それに、出て来る男が全員情けないとこまでおんなじやわ。上映後の監督さんのコメントで「ホン・サンス監督へのオマージュです」ってはっきり言い切ってたとこは、なんかちょっと嬉しかったし、好感持てたな。
他にも小津やらエリック・ロメールやらのオマージュが散りばめられてるさかい、映画マニアはそこそこ楽しめると思うわ。