Kamiyo

スキャンダルのKamiyoのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.8
2019年”スキャンダル”監督ジェイ・ローチ 脚本チャールズ・ランドルフ

2016年のFOX帝王として君臨していたCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)は、
FOXの元人気キャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)からセクハラで提訴される。
メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)ニコール・キッドマン、ケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)のハリウッド3大女優共演によるFOXで起こったセクハラ事件を描いた。

冒頭のメーガン・ケリーがカメラに向かってFOXについて解説するシーン
本作を象徴とするセクシーな服装で手際のよい環境説明 引き込まれるオープニング

現在の看板アンカーのメーガン・ケリー、ベテランのグレッチェン・カールソン、そして今売り出し中でアンカーを狙うケイラ・ポスピシルと年代の異なる3人のキャスターはエイルズに受けたセクハラの被害による心の傷を受けますが、当初は躊躇しているように見えましたが、決して泣き寝入りすることなく、それぞれの方法手段で闘う決心をします。
目的を同じくする3人なので、共闘すれば良いとも思いますが、3人は会長室へのエレベーター内で偶然乗り合わせた事が一度あっただけで、ライバルに自分をさらけ出さなければならないような共闘など、彼女たちのプライドが許さなかったのでしょう。

メーガン・ケリーが自ら被ったセクハラ被害を公表するかどうか迷うシーン。夫との口論で今の豊かな生活を維持できなくなるかもしれない、という不安を唱える。彼女にとって売れっ子キャスターの座は経済的に豊かな状態の象徴なのだ。彼女は金のために真実を隠そうとする。
このジレンマこそ、この映画の背景にある真実だ。
ケイラが自らの地位を得るために、ミニスカートをまくり上げるシーンに胸が痛くなる。ラスト近くに社員証をゴミ箱に投げ捨てて、再出発の意思を示す場面が印象に残った。

me tooが話題になっていた頃セクハラに対する運動ということは知っていましたが、この映画がで改めて考える機会ができたと思います。
大企業の中に潜んでいたセクハラ問題と、トランプの女性軽視を交えながら表現している面についても、国のトップがこれでいいのか、?リーダーとして優れている者が人間として優れている者ではないと感じました。
自分は男性だが、自分にもまた同じセクハラのような心理があるのではないか。そう自問させるテーマでもある。
美しい事が武器になる世の中は大小のハラスメントが存在していて、そこにつけこむ輩も出てくる。
華やかなメディア・ビジネスの裏側を描いていますが女性達の自立と葛藤、戦いも描いています。
シャーリーズ・セロンの変身ぶりはメイクアップアーティストの辻一弘氏の傑作だ。

トランプ大統領が愛してやまない保守系のFOXニュース
ラストにメディア王FOXのオ-ナ- マ-ドックにドナルドからTELあり
Kamiyo

Kamiyo