Kamiyo

あかね空のKamiyoのレビュー・感想・評価

あかね空(2006年製作の映画)
2.5
2006年 ”あかね空”  監督 浜本正機
脚本 浜本正機 篠田正浩

ああ、長い、長い。篠田正浩が企画・脚本を担当しているが・・・。何ともTV的な作品である。お文(中谷美紀)の台詞は、現代語じゃないか。完全な江戸言葉を望む訳ではないが、時代劇の台詞にすべきでしょう(原作で台詞がどうかは知らない)
主役となる中谷美紀の ”喜怒哀楽” が極端過ぎました。
演技に ”力が入り過ぎ” と言いますか
内野聖陽さんも二役する意味がわからない

僕は心情溢れる人間ドラマを期待して見に行きましたが、残念ながらあまり良さを感じませんでした。

京から江戸にやってきた豆腐職人永吉(内野聖陽)が、知り合った妻おふみ(中谷美紀)ともども甲斐甲斐しく働き、やがて商売も軌道に乗り繁盛。順風満帆に見えたが、長男栄太郎(武田航平) の放蕩や、商売敵の悪巧みなどでたちまちピンチに陥る。
すべてお見通しの親分傳蔵(内野聖陽)の屈力により、店を立て直すことができる、という江戸人情噺。

おふみが永吉と知り会ったころの、おふみの可愛い子ぶり過ぎと、テンションの高さ。また長屋の人々の活気溢れるのは解りますが、元気が良すぎたり、豆腐が口に合わないだけで手の平を返したように団体さんで、永吉を避ける態度の極端さ。ベタな映画に見えてきてしまいました。
永吉も、京豆腐を作り始め、当初売れなかった時の激しいほどの落ち込みから、おふみに励まされたとたんの立ち直りの早さ。あれれ、という感じでした。

八幡さんに行った時や、豆腐を作っている時の、二人のはしゃぎよう。また、この映画を見た方は良く解ると思いますが、深川の富岡八幡宮で、永吉がおふみに自分の生まれ育った京都へ連れて行くよ、と言ったすぐ後の、夫婦喧嘩。永吉「栄太郎に帳簿を任せて、二人で京へ行こうか」という話を夫婦でしている時に、お文「あんたはいつも豆腐のことばかりじゃない!」と何で夫婦喧嘩になるんだ?→永吉が豆腐に命をかけて働いたから店が繁盛しているんじゃないの?

小さな子供を抱いた石橋蓮司と岩下志麻は、祖父母と思いきや両親役。
内野聖陽は1人2役をやる必要があったのでしょうか?
永吉と傳蔵は、外見上は陽と陰という感じですが
人間的には陽と陽で同じ感じがします。

CGを使っての江戸の町並みの再現には、どうにも違和感を感じてしまう。絵本のようで不自然なのだ。時代劇をそれらしく撮ることの難しさは、演技だけではないのだなと思った。

僕にはだめでした。
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