さうすぽー

モービウスのさうすぽーのレビュー・感想・評価

モービウス(2022年製作の映画)
2.2
自己満足点 42点

スパイダーマンの悪役モービウスの誕生譚。
体が弱かった医師マイケル・モービウスが体の治療をするためにコウモリの血清を投入し、コウモリ人間になる話。

コウモリ人間と言えば、バットマン!(ではありませんw)


コウモリの能力で暴走してしまうモービウスの葛藤自体はわりとよく描けていると思います。
人の体を治療するために作ったはずが、人を殺す体に変化してしまう自分への葛藤と、同じく血清を打って暴走する友達への葛藤も感情移入しました。
そう感じた一番の理由はジャレット・レトの素晴らしい演技です。

ただこのモービウス、悪役にしたいのかヴェノムのようなダークヒーローにしたいのか、いまいち解りません。
モービウス自体、性格的に問題がある描写が多いですし(例としてそんなに悪くないチンピラの手指をボッキボキに折る等)、なのに悲しきヒーローっぽく後半は描こうとしてるので、どちらで描きたいのかが曖昧な気がします。

ていうか、モービウスの友達はどうやって血清を自分で投入したんですかね?
だってモービウス自身は恋人に任せて脊椎部分に打ったのに対して、友達はどこで見付けてどうやって打ったのか全く解りません。
そういう所も浅いです。

モービウスのCG自体は綺麗で良かったし、マトリックスを彷彿とさせるスローモーションも良かったのですが、アクションシーンも総合的に見ると好きじゃないです。
モービウスの能力を発動してるときのCGと素早く動くアクションにしたせいで(終盤はコウモリで更に隠れる)、アクションシーンがかなり見づらかったです。

モービウス誕生の時や一般人が襲われる場面はホラー映画っぽさはあったものの、ジャンプスケアを使用してるのが嫌でした(音もかなりうるさい)。


総じて纏めると、所々で良い場面は結構あるのに、肝心なモービウスの描きかたが中途半端だった事があって好きになれなかった事がこの映画を楽しめなかった最大の要因です。
ヴェノム同様、またしても微妙でした。