エイデン

日本誕生のエイデンのレビュー・感想・評価

日本誕生(1959年製作の映画)
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天の一番高いところにある“高天原”
天も地も無い時代、天之御中主神をはじめ様々な神が生まれていった
その一番最後に、伊雅那岐と伊邪那美という神が生まれ、地上を人の住めるような場所に作り替えるよう命を受ける
天浮橋へとやって来た二柱は、天逆鉾を使って混沌とした地上を掻き回し、島を作り上げると、夫婦の誓いをし“大八洲”を作り出す
二柱はそれから沢山の神を生み出し、天照大神には高天原を、月読命には夜の国を、須佐之男命には海の上を治めるように言いつけた
草木が生い茂り豊かな国となった大八洲に生まれた人々には、そうした神々の話は伝説的な歴史として伝えられる
そんな話が伝わる小さな国に、勇ましく人々に愛される小椎命が住んでいた
ある日 小椎命は、兄の大椎命が不貞を働いていると聞き、兄を打ち倒すと国から追放してしまう
国を治める小椎命の父 景行天皇は、世継ぎを追い出されたと聞き、小椎命を呼びつける
いかなる処分を受けるつもりでいた小椎命が父に下されたのは、西の国の熊曽建という武勇に優れた兄弟を降伏させよいうものだった
父が自分を怨んでおらず、戦にて武功を示す機会をくださったと喜ぶ小椎命は、揚々と西に向けて旅立つ
こうして、やがて日本武尊として讃えられる小椎命の冒険が始まった



東宝の映画1000本記念作品として製作されたアクション・ドラマ

『古事記』『日本書紀』に見られる日本神話をベースとした映画で、日本武尊の物語をを主軸に、伊雅那岐と伊邪那美の国造り、“八岐大蛇”退治などのエピソードなどを加えた神話盛り合わせスペクタクルになっている

3時間を超える上映時間に多額の予算を費やし、豪華すぎるオールスターキャストまで用意
ビックリするくらいの力を入れている超大作で、もうこの辺は観た方が熱量を感じられると思う

主演の三船敏郎など豪華な顔ぶれのドラマも充実していて、エピソードだけは知っていそうな日本神話の物語に息吹を与えている様子は、もうそれだけで映画ファンにとっては神話レベルだった
ちなみに三船敏郎は日本武尊と須佐之男命の二役やってる上、須佐之男命の物語が途中で挿入される劇中劇なので、ストーリー追う際は注意しよう

東宝お得意の特撮要素もしっかり入っていて、円谷英二御大が特撮監督として参戦している
特にそのメインはやはり八岐大蛇
怪獣映画そのままのクオリティでそのままぶち込まれるので、劇中劇というのがもったいないくらい
なお頭がたくさんある龍モチーフのキャラクターということで、1964年に『三大怪獣 地球最大の決戦』でデビューを飾る宇宙怪獣“キングギドラ”にも影響を与えている
ついでにオチの特撮も、今では絶対やらない方法で撮影しててかなりの気合い入ってるので注目してほしい

長尺ゆえの悠長さは感じなくもないけど、重厚さとエンタメ性も兼ね備えたパワフルな作品なので観ましょう
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