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超擬態人間のmoobyooのレビュー・感想・評価

超擬態人間(2018年製作の映画)
4.3
パワー漲る画力が、映画の面白さを際立たせている重量感半端ない怪作です。

あの傑作『狂覗』の藤井秀剛監督率いるスタッフとキャストが再集結した大枠はスラッシャーホラーだけど、虐待や猟奇殺人や原発やタイムループや巻き込まれ型サスペンスなど多角的でヤバイ要素を織り交ぜながら、際物ギリギリの淵を手堅く牽制して娯楽映画に昇天させています。タイトル・スタッフ・キャストロールの出し方にセンスがあるのも好きです。

『狂覗』に続き、決して予算が潤沢でないであろうインディペンデント作品の隙間を創意工夫を凝らして巧みに突いた構成の妙は計り知れない面白味を醸し出し、メインのキャストもスタッフを兼任している底力がダイレクトに伝わって来ます。

昨今のメジャーなホラー映画が忘れている見せるべきモノがギュッと詰まった野心作。来月公開予定の東京のハコがUPLINKとシネマ・ロサと云うのも合い過ぎていて、また観に行ってしまう事でしょう。

※マスコミ試写会に混ぜてもらって鑑賞
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