ネブュラー

ミッドサマーのネブュラーのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
5.0
我慢できず、北米版。
白日に晒され続ける狂気という名の儀式。90年に1度の夏至祭に、外部者が呑み込まれていく顛末が描かれる。この陽が落ちない明るみの中で晒され続ける狂気、恐怖、羞恥、生、死。好奇心や快楽が恐怖を凌駕した時、蛇のように脱皮をした新しい自分が待っている。マーターズでいう「殉教」的達観。
良からぬ集団の教義に基づいて行われる謎の儀式の不気味さ、恐怖、そして巻き込まれる人間たちが崩壊していくさまは、ヘレディタリーから継承されているものでありつつ、一種モンド映画的に慣習を描き、そしてこれは普通のことなんだと言わんばかりの滑らかさ、明るさは野蛮とはまた違う気持ち悪さを強調する。
映画内における呼吸が象徴的なように、吸って吐いてのサイクル、ミニマルな感覚は、民族音楽がもたらす反復の快楽にも近いもので、気持ち悪い、そして気持ちいいを振り子のように反復する感覚をビンビンに感じるアリアスターの新境地。新境地もなにも、長編2作目ということに驚愕する。。とんでもない映画作家だ。
高揚感に満ちた作品であり、サスペリア的おどろおどろしさを含みつつ、喉越しの良さというか作品全体の爽やかさがなんとも新しい複雑なカタルシスを与えてくれる。