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君の誕生日のdaiのレビュー・感想・評価

君の誕生日(2018年製作の映画)
4.6
大好きなソル・ギョングの最新作。

セウォル号沈没事故により息子を亡くした夫ジョンイルと妻スンナム。被害者遺族は亡き息子娘を偲んで彼ら/彼女らの誕生日会を開くのだが、スンナムはどうにもその輪に入れない。一方で夫ジョンナムは負い目を感じながら日々を過ごし、妻とも険悪な状態が続いていた。

妻の気持ちは理解できた。被害者遺族の集まりと距離を置くことで、自分の息子はまだどこかで生きていると思うことができる。

序盤、妻の行動に共感していたのに、終盤になるとそれではダメなのだと妻の気持ちが変化していく過程をトレースするように鑑賞することになった。ストレートに辛く悲しい映画で泣いてしまった。

人は二度死ぬ。
一回目は心臓が止まった時
二回目は人々に忘れられた時。
二回死なせないためにも誕生日会を開いて故人を語らい合うことが大事なことなのだと思う。

いい映画でした。
dai

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