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カメラを止めるな!スピンオフ「ハリウッド大作戦!」のdm10foreverのレビュー・感想・評価

3.8
【「ポン!」は映画を救う!】

最近Filmarksのレビューを騒がせている今作。
それまで存在すら知らなかったので、「何とか見る手段はないかな~」と何気にYouTubeを観てたらありました!宣伝とかダイジェスト版かな~と思っていましたが、一応最後まで鑑賞できたのでラッキーだったのかな。いつまで観られるのかわからないので、もしまだの方がいたら是非。

で、今作のレビューです。
前作の「異常」ともいえるフィーバーの功罪もあって、札幌にこの映画が遅れてやって来た頃には「かなり昂った状態」で鼻息荒く観に行ったんだけど、その頃は既にここのレビューも相当熱く盛り上がっていたので「相当面白いんだろうさ」と構えていたのも事実。
実際面白かったし、劇場でも久しぶりに笑って声出ちゃったくらいだったけど、ちょっと熱が冷めて冷静に見返してみると、「よく出来てるわ」と改めて思う部分や「あの時は気が付かなかったけど、こういうところは雑だったな」みたいな感想もポロポロと湧き始めていた。
いや、褒めてますよ。「低予算の割りに」とかそういうエクスキューズをつけなくても、作品として面白かったし、何より演者やスタッフの「一生懸命さ」が伝わってきて、観終わった後の好感はきっとその辺だったと思う。

(お金も名前もなくても作品への情熱はあります!)っていう感じ。

前作は「前半で伏線散布→後半で回収」という手法も取り立てて新鮮というわけでもなかったけど、それでもあれだけの勢いで一気に駆け抜けられたら、観る側も振り落とされないように着いていった。そしてら凄く面白かった。そう、あのスピード感が絶妙だったんだと思う。

というところでの今作。
「あの手法で」「あのスピード感で」「あの尺で」もう一度同じ事をやっても厳しかったと思う。ましてあのフィーバーからまだ1年も経ってないんだし。
でも、あの手法を捨てれば「カメ止め」ではなくなるし、あのスピード感を失えば絶対にダレる。つまりこの二つは絶対に切れないピース。
逆に、尺に関して言えば「もう少し的を絞ってコンパクトにしたほうが・・・」という感があった前作の続編という意味では、絶妙とも言えるくらいの長さだったと思う。

「あ~~おいしかった!!おかわりしようかな~?・・・・でもまるまる一杯は多いんだよな~茶碗半分くらいでいいかな」っていうサイズ。

ちょうど「おいしい」という気持ちのまま『ご馳走様』といえる適量のおかわりだったと思います。

途中に挟まれるネス○フェアンバサダーのCMを観て、なぜこの時期に続編を作ったんだろうという謎は解けたけど、むしろ面白いのはそこではなく、その状況(スポンサーの意向でグイグイ押されながら番組を作る羽目になる)が、まんま物語とも重なっていて、是考えた人は頭いいなと感心してしまいました。
何でこの時期に続編なんだろうな~?って思ってたけど、物語的にもきっとそんな感じだったんだろうね。そこにぶっこんで来る「スポンサーの意向」。
一番正直な続編作成の理由を、それこそ逆手にとって前面に出してしまう辺りは作り手のセンスを感じるし、「おかわりしてよかった」と感じられる続編になったと思います。

そして今回も「ポン」で作品が救われた。
若干期待しながら観ていた時点で好きなんだろうね、ポン!
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