このレビューはネタバレを含みます
私はどちらかというと女が多い社会で生きてきたから、男との差を強く意識して育ったわけではなかった。
社会経験が乏しいから、こういった直接的な侮辱を自分では受けたことがない。鈍感なだけかもしれないけど。
それでも、そういった空気を感じたり、社会の問題を目にする瞬間は今までに何度もあった。
歳をとるにつれて、小さな違和感から、自覚に変わり、悲しみ、怒りとだんだん心にかかる負荷が大きくなってきた。
おばあちゃんがジヨンに憑依して、お母さんに語るシーン、親子3代の悲しみが一気に押し寄せてきて見ててとても辛かった。これが現実なのだということがさらに辛かった。
デヒョンのように根底では女に求めるものが多くても変わろうと努力している人がいること、これだけが救いだった。
デヒョンの場合、ジヨンのことをきちんと愛していたから、ジヨンを尊重することができた。もしここに愛がなければと思うとゾッとする。
あまりクローズアップされないけど、男も競争社会から抜けられない苦しさがあると思う。
みんなが誰からも指を指されず自分の生きたいようにいろんな道を選べる社会がくるといいな。
今のところ、物理的な力、社会的立場、役割の重圧を鑑みて、私はフェミニストでいたいと思う。
フェミニストなんて言葉も早くなくなればいいのに。
この映画を見た人の意識が少しでも変わるように祈っている。
