金柑

TENET テネットの金柑のネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

IMAXにて。絶対にもう一回観る。
 そんなに興味あるわけじゃなかったんだけどTLの空気にあてられたのと、日が経つごとにネタバレ避けるのめんどくなるだろうなと思ってチケット取った。反粒子とエントロピーの解説記事だけ読んだらまんまと楽しみになった、インセプションを楽しんでたのを思い出した。物理苦手なのでこの記事は読んでて良かった。

 全体としてはめちゃめちゃ楽しんだ。終演後は興奮してた。冒頭のオペラハウスは音楽の盛り上がりと轟音とが最高でこれだから映画館はやめらんねえ〜〜!!!ってなったし逆行の度に口ぽかーーん開けながらわくわくしてた。
 けど生き返り後の説明/計画パートが意外と落ち着いてておや…?となった。まあ待機段階が静かなのは後の展開をうずうず待てるからまだいいけど。緩急の差が激しかったし、急の面白さがずば抜けてるので緩の微妙さがちょっと目立った感。

 分からねー!!!って感想をそこそこ見かけてたのでかなり身構えたんだけど思ってたより分かって良かった。細かいところは流れに身を任せたりしたけど。Don’t try to understand it, feel itって劇中で言われちゃあもう仕方ないよ。

[雑感]
・映画内で犬猫がやられる作品を警告し合う文化あるけど、楽器が壊されるのも警告欲しいって初めて思った。チェロかコンバスが踏み抜かれるのあまりにキツかった。エグすぎ。
・内臓まで揺れるIMAX音響最高だったなー。ほんとこのために映画館来てる。
・中盤の逆行と終盤の逆行ずっと口開いてた。展開が分かってくると一周回ってにやけながらやっぱり口開いてた。
・一体全体どうやって撮っている????????逆再生はもちろんだけど、奥は逆行で手前は通常とか、なんかもう全部どうなっている?????
・友情の始まりと終わりとか、リュックのコインとか、ノーラン「オタクこういうの好きだろ」私「好きです」って聞こえた。ダンケルクのトムハみたいな。
・アルゴリズムが世界に○個…って言われてドラゴンボールか?と思った
・ロバートパティンソン、トワイライトしか知らないし観たこともないけど、なんかめっちゃいい役者になってるじゃん。なめててごめん。良かった。
・いい加減気持ち悪くないケネスブラナーが見たいよ私は。
・時間を逆行する話なのに「起きてしまったことは仕方ない」という不可逆性を信条?にしてるの面白いなって。
・案の定もう一度観たいよ。

以下ちょっと真面目。

 ノーラン作品の印象はインセプションとダンケルクが強いんだけど(たぶん映画館で観たから)、ともすればアート映画というか洋画好きが好きな映像音響演出のスケールのデカさや美しさがめちゃめちゃ際立つのに、物語やキャラクターがちょいちょいキャッチーというか大衆ウケしやすいのが面白いよなと思う。
 キャッチーに寄りすぎるとダサくなるのでほんと紙一重だと思う。その点、ニールと"主人公"の友情は激エモ満点だったけど、ケネスブラナーとエリザビスデビッキはもうちょいどうにかならんかったのかと思う。強い女感もなくはなかったけど、いくらクソ夫にやられてるとはいえ暇さえあれば息子ォ…だし、案の定「感情に負けてルールを破る女」だったじゃん。あそこ一番萎えた。
金柑

金柑