ぴのした

TENET テネットのぴのしたのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.9
前から読んでも後ろから読んでも"TENET"。そのタイトルの通り、壮大な回文のような映画だった。

前半はちょっとの違和感があっても無視してスピーディーに突き進む。中盤に転換して、後半は時間を遡りながらさっき感じた違和感を小気味良く回収していく。

ただ時間の直進と逆行が入り混じる理屈とか、主人公に与えられたミッションの理屈とかが難解すぎてきちんとは理解しきれなかった。なぜそこに行って、なぜそれをしなくてはならないのかがよく見ててもよく分からない…場面展開も早いし

ただそんなことは抜きにしても、なんとなくいい奴悪い奴との区別がついて、時間が遡る演出を純粋にカッコいいと思えれば十二分に楽しめる。

アクション超大作という意味でも凄すぎた。国家予算並の制作費がかかっているんじゃないか?

飛行機が倉庫に突っ込むシーン、トラックと消防車で敵の車を挟むシーン、ラストの廃墟での攻防戦。どれも凄すぎた。逆再生とそのままの時間が同時並行で進む映像体験がとてつもない。

戦闘の跡を示してこれから起こることを予測したり、あれは何だったんだ?というものが時間を遡ることで実はこういう話でしたと分かったり。

大きなストーリーの枠組みでも、細かなシークエンスの中でも、この時間の仕組みが映画全体に複線を張り巡らせる役割になっていて、終始カタルシスが半端なかった。

20210626
2度目の鑑賞。科学や時間の理論うんぬん以前に、相変わらず何度見ても説明不足で「なぜ主人公たちがこうしているのか」がまじで分かりにくい。

終盤のニールとの関係はやっと理解できた。ターミネーター的な感じなのね、未来の主人公の命令で世界を救ってたわけだ。「素晴らしい友情の終わり(始まり)」というセリフはカサブランカのオマージュ?