【日曜朝に思い出と共に】
日曜朝のアニメ枠は全部観ていた幼少期。おジャ魔女ドレミももちろんその中に入っていた。詳しい中身は忘れてしまったけれど、今でも誦じられる「ピーリカピピララ ポポリナペーペルト」。本作終盤に出てきたあの大学生男子と同じく、魔女見習いたちの中ではおんぷちゃん推しだった。どこか物憂げな雰囲気や箒の乗り方がチャーミングだったからだ。
MAHO堂で出会った歳の違う3人の女性たちは、イメージカラー(髪色・キャラ)と異なるキャラクター推し。幼少期に魔女見習いを観ながら、自分にないものに憧れ、魔法の力でも借りて身につけたいと願ったのだろう。そんな彼女たちは、自分が生まれ持ったもの(才能)こそが魔法だと終盤で気がつく。それは、おジャ魔女ドレミで魔女見習いが魔女に昇格することなく自分の願いを叶えるのとパラレルの関係になっており、懐古主義で本作を観た私たちに「大人になるのも悪くない」と前向きにさせてくれる着地だ。
デジモン映画が、デジモンからの卒業をもって私たち観客を突き放したのとは違い、本作はおジャ魔女を楽しんだことを肯定して背中を押してくれるような温かい仕上がりで好感が持てた。
修学旅行の地を巡る京都の描写は、悉く私の地元が舞台であり、特に八坂さんの桜の木下で月を見上げるシーンは懐かしさの絶頂だった。