TakuMori

ひとよのTakuMoriのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.7
DV被害を受ける子供達を救うため父親を殺した母親が、約束通り15年ぶりに家に帰ってくる。
事件を経て苦しみ続けた長男・許せなかった次男・信じ続けた長女ら兄妹と母が、壊れた家庭を修復するまでの物語。

なんのあらすじも知らずに観に行ったので、まず開始3分の「お父さんを殺しました」で心掴まれた。
そこからのストーリー展開も面白かった。3人の兄妹に一番スポットが当たっていたけど、それぞれの想いがしっかり描かれていて。2回泣いた。
15年前の回想シーンと反復する構成が見事に刺さった。DVシーンつらい。
芝居が全員良かったなぁ。特に家族4人と、訳ありの新人タクシー運転手の佐々木蔵之介、あと長男の奥さん役のMEGUMI。

「家族」をテーマにした重めの映画なら最近だと『万引き家族』が思い浮かぶけど、そっちが"偽りの絆で結びついた家族が壊れていく話"だとすれば『ひとよ』は"壊れた家族が絆をつむいでいく話"というか。
単純に希望があってこっちの方が好きだった。
最後の写真撮るシーンとか、良かったなあ。

家族っていがみ合ってもぶつかり合っても離れても、いつかはまた結びつき合う、切っても切れない関係なんだ。
あとDVやらヤクザやら、辛い環境で育った子供は歪むのかな。
そんな感想を持った。
TakuMori

TakuMori