tarupon

ひとよのtaruponのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.2
田中裕子、鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優、佐々木蔵之介、筒井真理子・・・と文句が付けようがない人達を揃えてきていて、それが過不足なく画面全体に行きわたっている感じ(←変な表現だけど)
最後、後味悪く無くおさまるところにおさまって、でもそこに至る兄弟それぞれの葛藤はちゃんと描かれている。
田中裕子の卑屈にならずある意味つっぱって淡々と過ごす表情とたまに見せる温かな穏やかな笑顔がこはる自身の人柄と年月を感じさせてリアル。
鈴木亮平は、実は次男以上に鬱屈したものを抱えている長男をうまく演じている。そして、この話の中で一種のカンフル剤的?役割を担う佐々木蔵之介。彼の壊れっぷりもなかなか良い。
佐藤健、松岡茉優、特に松岡茉優、若手の中では本当に好きな女優さん。
筒井真理子とか音尾琢真とかがワキでがっちりいるのはホントに良い味だし、タクシー会社のあの兄ちゃん、誰だっけ?って思ったら浅利陽介だった。白石監督のインタビューで、リアルに近づけるために、いかに俳優さんを汚くとるかを考える的なことを言ってらしたけれど、浅利陽介は見事なダウンぶりでした。
と、ここまで書いてきた通り、この映画はストーリーというより、その中での役者の演技を堪能する作品だったなとあたらめて感じた。
tarupon

tarupon