きゅうげん

スケアリーストーリーズ 怖い本のきゅうげんのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ギレルモ・デル・トロ製作!
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アンドレ・ウーヴレダル監督!
禁書処分された短編児童書を元に再構築したヤングアダルト・ホラー。

ビジュアル面は衝撃的なほど原作再現度が高く、またキング的田舎ジュブナイル感も王道な印象。雰囲気づくりは上手です。
なにより60’sらしさがとってもキャッチー。
青春群像劇としての成長や葛藤というテーマが、“革命の60年代”という時代性と付合してるのがいいですね。

……しかし。
書き足される怖い話が各登場人物のキャラクター性に裏打ちされる一方で、恐怖の対象となる幼少期のトラウマとか、聞いた話とか見た夢とか、ぜんぶセリフで済ませちゃってるので没入感はかなり希薄。映画『IT』前後編を会話劇にギュッと要約してる感じです。
決着やエピローグなども、どこか投げやりな……。
つまるところ、みんな怖いトラウマを克服できてないじゃん!
あと、恋人の手紙に涙しながら兄の散った戦場へ赴くラスト……、いやそれ死亡フラグ!