はやと

デッド・ドント・ダイのはやとのネタバレレビュー・内容・結末

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

再鑑賞


これは"ゾンビ映画"ではなく、"ジャームッシュのゾンビ映画"
ジャームッシュの手にかかればゾンビ映画にハラハラ展開やド派手なスプラッター、さらにはオチなんてものは必要ない。


アダム・ドライバーとビル・マーレイというジャームッシュ作品と抜群に相性の良い2人を主演に置いたゾンビ映画なんて観る前から面白いに決まっている。

実際、この2人が放つ異様なまでの空気感によって作品の雰囲気が完成されており、もう二人がゾンビで溢れる街で会話してるだけで面白い。


最後、街で唯一"物質主義"から脱し森で生活していたボブと少年院の少年少女たち。
劇中でもいたWi-Fiや抗不安薬、コーヒーを求めて徘徊するゾンビで皮肉ってるように、物に溢れた社会で情報や物質に追われ支配されてる人間もゾンビなんだというロメロ作品っぽいメッセージ性の込められた終わり方も最高...


作中度々発せられるメタ的発言は賛否が分かれるところだと思うけど個人的にはやりすぎ感はそこまで感じず、ちょうど良く笑えてこの映画には必須の要素だと感じた。
そりゃ事前に台本読んでたら落ち着いて対処できるよな。


そして主演二人以外にも豪華な超名脇役がゾロゾロ。
特にスティーヴ・ブシェミとティルダ・スウィントンは流石の存在感。
一太刀で首を刎ねる姿は神々しい。

もう全部の要素ひっくるめて"ジャームッシュ"色で塗り固められたシュールで抜けたゾンビ映画だった。
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