3104Arata

9人の翻訳家 囚われたベストセラーの3104Arataのレビュー・感想・評価

3.5
<21年11月>
【オチが読めない!それが見どころ!】
・2019年公開のフランス・ベルギーのサスペンススリラー映画。
・フランスのとある洋館の地下室に9か国の翻訳家が出版社のオーナー、エリックによって集められる。全世界が待ち望んでいるミステリー3部作小説「デダリュス」の完結編を、内容が流出することなく9か国語に翻訳するために、彼らは地下室の密室に隔離され、翻訳が終わるまでそこを出れないことを知る。無茶苦茶だよ…と思いながらも、翻訳を進める9人の翻訳家。それを監視するエリックとその部下たち。するとエリックの元にとあるメールが。「冒頭の10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロ(約6億)を支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを公開する」と。独占販売することで巨額の利益を得ようともくろんでいたエリックにとってはかなり痛い要求。一方、地下室の彼ら以外は元ネタを知るはずもない。ということで、地下室の9人の中に犯人はいると疑っていくが… という大枠ストーリー。

[お薦めのポイント]
・計算されたサスペンス!久しぶりに裏切られたぁ~!と感激しました。

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[物語]
・とにかく、物語が良くできていると思いました。個人的には、サスペンス領域ではかなりの良作だと思います。真犯人や意図を想定してみたものの、全然的外れ。笑 これぞ、期待を裏切ってうまくだましてくれるサスペンスの醍醐味!中盤あたりからネタバレが始まり、あとは、ネタバレの仕掛けやその動機などを。いやぁ、あまり話すとネタバレしちゃうので控えますが、久しぶりに素敵なギミックの効いた映画に出会えてよかったです。
・ドラマ性は割と薄めです。

[演出]
・これは物語の部分かもしれませんが、時間軸を飛ばす流れ・演出が若干混乱させられました。混乱がある分、衝撃度が下がります。本来なら衝撃を受ける部分が「あれ、今どういう状況?自分の認識であってる?」と懐疑的になるため、徐々に理解してやっと衝撃を受ける→せっかくの頂点で衝撃を受けることができなかったな、という印象があります。

[映像]
・際立って感じたことはありません。

[音楽]
・際立って感じたことはありません。

[演技・配役]
・知らない方々ばかりでした(オルガ・キュリレンコさんはどこかで見た記憶がありました)。しかし、安定して観ることのできた演技ではありました。

[全体]
・裏切りのオチ、これがこの映画の見どころでした。一方、物語性は薄めです。どこか子供じみた衝動や行動が目立ちます。共感性はそこまでないですが、ただただ、サスペンスに自分の予想を裏切られたい!と願う人なら一見の価値はあるのではないでしょうか。ありがとうございました。

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