まるで連続ドラマのように展開が加速していくミステリー。
原作を流失させた犯人を見つける話なのかと思いきや、実はそうじゃない。これは暗い地下室で行われる勧善懲悪の物語だった。
雇い主と雇われの翻訳家たちのパワーバランスが絶妙で、流失が露見してからの翻訳家たちの責められようは観ていてつらい。
犯人もなかなかの諸悪の根源ではあるが、物語を通して雇い主にヘイトが溜まるように作られているので、ラストはミステリー映画には珍しくちょっとスカッとする。
個人的名シーンは、翻訳家たちが持ち前の語学力を活用する場面。
「(雇用主はフランス人だから)スペイン語で作戦を言うぞ!」「悪い!俺はスペイン語が分からない!」「じゃあ貴方に伝わるよう、私が中国語で通訳するわ!」
緊迫したシーンだったのに思わず笑ってしまったw