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スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼のBellのレビュー・感想・評価

3.5
2018年公開の『スマホを落としただけなのに』の続編。

原作小説は、1巻も2巻も読了。

なので、ネタバレは全部知っての鑑賞でしたが、原作と結構異なる点も多く、原作既読でも新鮮でした。

自分には何の落ち度も無かったのに、恋人がスマホを落としたことによって、連続女性殺人犯に目をつけられ、プライベートを全部盗み見され、知られたくなかった過去も暴かれ、挙句の果てに、殺されかける・・・という恐怖を描いたのが、前作の『スマホを落としただけなのに』。

今作はその続編で。

前作で連続女性殺人犯を追い詰めた刑事・加賀谷と、その恋人が主人公。

加賀谷の恋人のスマホがハッキングされ、狙われることになります。

一方、加賀谷は、前回の事件と関連する新たな事件が発生したことから、前回の犯人・浦野と面会し、彼の卓越したハッキング能力で捜査協力を依頼する・・・というストーリー。


そういえば、原作では2巻の主人公は「桐野」という新しい登場人物なのですが、映画だと、前作の登場人物である加賀谷なのですね。

やっぱり、同じ登場人物の方が世界に入り込みやすいからかな?

前作でも、要所要所で描かれていた加賀谷の幼少期のトラウマ。

今作も、そのトラウマがひとつのキーになっていて。
そこは映画オリジナルの設定でしたね。

結構、原作と設定が違っていたので、小説を既読でしたが、作品として楽しみました。

個人情報の詰まったスマホを盗み見される恐怖という点では、前作と同じテーマなのですが、わたし的には、前作の方が怖かったし面白かったかな。

というのも、今回のメインテーマは、80億円以上ものウェブ上の仮想通過が盗まれるという事件と、それに関わったと思われる人物達の死。

でも、事件が壮大過ぎて・・・あまり身近に感じられなかったというか。

前作の方が、実際に起こりそうな出来事だけに、身近に感じられて怖かったなぁ。



そしてそして。

サスペンスであると同時に、恋愛物でもあるこのシリーズ。

今作では、主人公・加賀谷とその恋人が、さまざまな危険を乗り越えて、絆を深めて行くという展開になります。

すれ違ったりするところは、若干、イラっともしましたが、ラストはキュンどころ。良かったです。


それから。
天才クラッカーであり、連続殺人犯でもある、浦野役の成田凌さんの怪演も見所のですよ!!

実に不気味なオーラを出していらっしゃいました。

そんな彼と対等にやり合う刑事・加賀谷の千葉雄大さんも、終始緊張感のある空気を纏っててカッコ良かったです。

また、加賀谷が刑事になる前に勤務していたIT会社の社長役の鈴木拡樹さんにも注目して欲しいです。

加賀谷との会話や、その中でのちょっとした仕草や目線、全てが伏線だったなぁと。←ネタバレになるのでこれ以上は言えませんが(^m^)



そうそう。
このシリーズ、原作は3巻まで出ているのですね。

ということは、映画版も更に続くのかな?

確かに、すっきりとはいないラストだったので、続編ありそうですね。

とりあえず、原作の3巻も買ってみました。読みます!
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