エイデン

クロール ー凶暴領域ーのエイデンのレビュー・感想・評価

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)
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水泳の選手をしているフロリダ大学のヘイリーは今日も競泳大会に出場するも、なかなか目標の順位に辿り着けずにいた
悩みながら更衣室で着替えをしていると、姉のベスから連絡が入る
カテゴリー5の巨大台風“ウェンディ”がフロリダに近づいて来る中、父親であるデイヴと連絡がつかないとベスは心配していた
実はヘイリーとデイヴは折り合いが悪く、離婚して1人で暮らす父とは滅多に顔を合わせていなかった
ヘイリーもデイヴに電話をしてみるが、やはり応答はない
仕方なくデイヴの家に向かったヘイリーだったが、愛犬のシュガーを残して父の姿は車と共に消えていた
父はコーラル湖畔にある競売に出したはずの旧家にいるのではないかと考えたヘイリーは、仕方なくシュガーを連れて様子を見に行くと決める
しかしそれは台風に向かって行くことを意味しており、進むに連れて雨風は酷くなり、あちこちに浸水が見られた
途中 道を封鎖していた姉の友人で警察官ウェインに捕まり、この先は危険な封鎖地帯のため戻るようにと言われる
だがヘイリーは引き返すふりをして無理やり封鎖を突破し、なおも旧家へと向かうのだった
ようやく旧家へと着いたヘイリーは、外に父の車が停めてあるのを見つける
中へと入り、懐かしさを感じながら父を探すヘイリーだったが、リビングにスマホが置いてあるのみで、当の本人の姿は見えなかった
もしやと思い地下室へと降りたヘイリーは父を呼ぶが返事がない
だが使用した形跡のある工具やつけっぱなしのラジオがあり、ヘイリーは狭い地下室とぬかるんだ地面に苦戦しながら探し回る
すると肩から血を流して意識を失っている父の姿があった
驚いたヘイリーは父をビニールに乗せ、引きずりながら外へと出ようとするも、目の前に突然 巨大なワニが現れ、行手を阻むのだった



台風の脅威が迫る中、家に閉じ込められた父娘とワニの攻防を描くスリラー映画
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サメに負けじとワニも台風と共にやって来た!
隠れててもいずれ台風死
逃げようとしてもワニ死するという地獄の板挟み
果たして仲悪父娘は生き残れるのか
なんていうB級映画テンションで観たら傑作だった
ワニお前・・・やるじゃん・・・

まあまずは台風とワニというタッグによるシチュエーション
台風による浸水、そして父デイヴの怪我もあり、タイムリミットが迫る中、脱出を阻むようにワニが現れる
このタイムリミットと障害の配置が絶妙だし、手に汗握るスリリングさを生み出す仕掛けになってる
特にワニが風に乗って飛んでくるわけではない
暴れ狂う台風にも引けを取らないアグレッシブさを見せるワニさん
必殺デスロールできりもみ回転する人間画力強すぎる

そしてこの手の映画で1番軽視されがちな人間ドラマ面もしっかりと描かれる
父娘の思いが極限状態で明かされ、絆が試されていくという自然?な流れで組み込まれるので、違和感なく楽しめる
台風とワニが北風と太陽みたいな効果をもたらせたんですねきっと(てきとう)

そんな要素も組み込んでおきながら、上映時間を87分に抑え込んだ手腕は特に評価したい
観やすくきちんとまとまってる
すごい
サム・ライミが製作というのもあってかと思ってたけど、よく見たら監督が『ヒルズ・ハブ・アイズ』の人なんですね
あの映画でも前半のスプラッター・ホラーぶりから、後半にリベンジ・スリラーと化すギアチェンジが見事で燃えたけど、そういう巧さも噛み合ってると見た

締まりないけどそんな作品です
サメばっかりじゃなく、ワニの底力をご覧あれ
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