エッシャーの絵はどちらかというと好きという
程度で、彼の生立ちや絵の制作過程などまったく
知りませんでした。サイケデリックムーブメント
で彼の作品がもてはやされたのも初めて知った
ほどの貧弱な知識でした。
このドキュメンタリーを観て彼を見る目が変り
ました。美しさではなく驚異を描きたいという
発想からしてとんでもない人です。
数学から結晶学(本人としては意図してなかったけ
れど)などそんなことまで絡んでいる作品達だと
は思いもよらず…。表面的なことしか知らなか
ったんだな、とガックリ。
制作過程をCGなどで分かりやすくかつ面白く
映像化しているのもこの作品の評価できるところ
です。
ミック・ジャガーからジャケのイラストを描いて
くれと依頼があったとか。丁重にお断りしたの
は正解だと思います。変なブームに持ち上げられ
ると絵が陳腐化、大量消費化して後々良いことなど
ありませんから。
現代でも通用するデザイン性は"驚異"であると
ともに私には"美しさ"も感じました。
どんなアートでも人によっては"美しさ"も感じる
ことがあるんだよ、とエッシャーに伝えたいです。
