伝えたい事をテレビのように言葉で全部説明しちゃえば映画ではないし、かと言って美意識優先でアートに振りすぎて匂わせる程度ではほとんどのゴールデンタイムの人間にスルーされちゃうことを、しっかりしっかり誰にでもわかるように映像とストーリーで提起してくるのが大好きでした！
それだけじゃなく構図とか演出にもこだわっているから一味深読みしたい層にもリーチしてウケてるんですね。（テネットもそうやろと勝手に決めつけてる）
だから「なるほど」「たしかに」「おー！」が多く満腹感もあるんだけど、でも私は今のところ観てきた数少ない韓国映画全部に共通するんだけど、心が動くポイントはなかった。半地下～高層のどちらでもない中間に位置するお家で金ロー観れるような大半の視聴者は誰に共感したんだろう。
唯一自分の力で就職したからこそ殺された・地下の人に食べ物を運ぼうとしたのに皮肉、という解説読んだけど、桃の粉撒いた時点で真のクズ。しかしそこまでの知恵があっても正攻法では苦しい生活から抜け出すのは難しい構造ってことなんだろうね。
半地下人間が地上から地下へ続く階段で蹴り落としたところ、とても示唆的で、それが具体的な最大の過ちの引き金でもあり、神話みたいで考えさせられた。あのような衝撃的なことが実質日常的に行われているのかも。
