"半地下のにおいよ。ここを出れば消える"
去年の超傑作がNetflixに来ましたね‼️
【STORY】
韓国では貧困層の象徴のような「半地下」に住む主人公家族。
縁あって家族の1人が富豪の娘の家庭教師になったことをきっかけに、彼らは家族揃って、富豪の家に"寄生(Parasite)"する計画を立て始める…
【一言まとめ】
●リアルな格差社会と、悪意のないトゲ
●予測不能の手に汗握る展開!
●序盤の軽い空気がバランスを絶妙に保つ
【感想】
"地上と地下"という分かりやすい対比を軸に、実際に存在する格差問題や、その当事者である貧乏家族に突き刺さる"悪意のないトゲ"を浮き彫りにしていきます。
富豪一家は決して、寄生一家のメンバーを傷つけようとはしません。
しかし、思わぬところで富豪一家の言葉や仕草が、寄生一家の心を抉ってゆきます。
寄生一家も、富豪一家に悪意があるとは思っていないでしょう。それでも、心に突き刺さる悪意のないトゲには、ふつふつと感情が募ってゆきます。その経過は非常に丁寧に描かれ、ついにある一点で訪れる衝撃。ここまで秀逸な脚本は多くありませんよね。
暗く重苦しいだけではなく、緊張感も楽しめます。嘘をつき続ける彼らのギリギリの状態を追うストーリーに常につきまとう、スパイ映画のようなスリル。これも確実に、本作の魅力の1つですね!
予測不能の展開には常に仰天させられます。年末年始の先行上映の際は、上映前に監督やキャストが「ネタバレ禁止!」という動画がついていましたが、観たら納得ですよね。
演技は勿論、音楽や撮影にも鳥肌が止まりませんでした。最高のタイミングで空気を支配する音楽の使い方は本当に素晴らしかったし、カメラワークには終始感動しました。
ネタバレを避けると詳しくは言えないのですが、"手前から奥に向かって影に並んだ3人の顔"や、"階段と、手前にかかる電線"などのカットには特にゾクゾクしました。
正直な所、序盤のトントン拍子でコミカル過ぎる雰囲気には驚きましたし、初めて観た時の序盤は少しガッカリさえしました。
その時の心の声を表すなら、「なんじゃこりゃ。こんなふざけた雰囲気の作品なのか。もっと空気感に深みがある映画だと思ってたのに!」という感じでしょうか。
ただ、全体を観た後、2回目を観た後に考えると、その空気感での導入こそが最高だったんだと思います。
全体の物語が暗く、重い問題を扱う作品であり、実際に中盤を越える辺りからは不穏な空気がメインになっていくからこそ、序盤のキャッチーさで一気に観客の心を掴んでいくスタイルは非常に効果的で、重苦しい映画をあまり観ない方にも入りやすいのではないでしょうか。
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【個人的ランキング】
《2020年日本公開ベスト10》
①燃ゆる女の肖像
❷パラサイト 半地下の家族
③フォードvsフェラーリ
④TENET テネット
⑤ジョジョ・ラビット
⑥Mank マンク
⑦シカゴ7裁判
⑧ザ・プロム
⑨レ・ミゼラブル
⑩スウィング・キッズ
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観た回数:4回(通常版3、白黒版1)
直近の鑑賞:映画館(19.12.29先行上映)
映画館(20.01.12)
Netflix(21.01.01/白黒版)
Netflix(21.01.02/吹替版)
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【星つけた際の個人的評価・好み】
総合点97pt/100pt 星換算★★★★☆4.9
コンセプト点 100pt/100pt✨✨✨
ストーリー点 100pt/100pt✨✨✨
心に迫る点 82pt/100pt✨
設定点 100pt/100pt✨✨✨
キャスト点 88pt/100pt✨✨
テンポ点 90pt/100pt✨✨
深み点 98pt/100pt✨✨
演技点 93pt/100pt✨✨
撮影点 95pt/100pt✨✨
演出点 97pt/100pt✨✨
セット点 100pt/100pt✨✨✨
キャラデザ点 88pt/100pt✨
衣装点 75pt/100pt
メイク等点 79pt/100pt
音響/効果音点81pt/100pt✨
音楽点 84pt/100pt✨
ゾワゾワ点 80pt/100pt✨